Armは、グラフィックスレンダリングでGPUのパフォーマンスを大幅に向上させる「ニューラルテクノロジー」を発表した。Arm GPUに専用のニューラルアクセラレーターを追加すれば、GPUワークロードを従来手法に比べ最大50%も削減でき、PC品質のAI搭載グラフィックスをモバイル機器で実現できるという。
Armは2025年8月、グラフィックスレンダリングでGPUのパフォーマンスを大幅に向上させる「ニューラルテクノロジー」を発表した。Arm GPUに専用のニューラルアクセラレーターを追加すれば、GPUワークロードを従来手法に比べ最大50%も削減でき、PC品質のAI搭載グラフィックスをモバイル機器で実現できるという。
AIベースのグラフィックスアップスケーリングエンジンとして第1弾となる「Neural Super Sampling(NSS)」は、540pから1080pへのアップスケーリングをフレーム当たり4ミリ秒で実現する。NSSはゲームを手掛けるスタジオでも活用されている「Arm Accuracy Super Resolution(ASR)」を基盤としており、ネイティブに近い高品質の描画が可能である。
同時にArmは、「ニューラルグラフィックス開発キット」も発表した。このキットには、「Unreal Engine用プラグイン」「PC上で動作するVulkanエミュレーション」「最新のプロファイリングツール」「GitHubやHugging Faceより入手可能な公開済みオープンモデル」および、「Vulkan用のArm ML拡張機能」といった機能が含まれる。開発キットを活用すれば、ハードウェアが出荷される前から開発を始めることができるという。
例えば、Arm ML拡張機能を活用すると、開発者は使い慣れたレンダリングパイプラインにAIを直接統合することができる。しかも、ニューラルネットワーク推論に特化して設計されたパイプライン「Graph Pipeline」が導入されるという。
開発キットは、Enduring GamesやEpic Games(Unreal Engine)、NetEase Gamesといった多くのパートナー企業が、既にサポートを表明している。
さらにArmは、フレームレートを倍増させるための「Neural Frame Rate Upscaling」や、モバイル機器でリアルタイムパストレーシングを実現する「Neural Super Sampling and Denoising」についても、2026年から提供を始める予定である。
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