TSMCは、6インチウエハー製造を段階的に停止する。レガシーの工場を閉鎖し、先端プロセスによる300mmウエハーへの注力を強めている。
窒化ガリウム(GaN)事業撤退を発表したTSMCは、今後2年間で6インチウエハー製造を段階的に停止すると発表した。同社は2025年8月12日(台湾時間)に終了した取締役会でこれを決定した。
この決定を受けて、TSMCは6インチウエハーを製造する「Fab 2」の生産を2027年に終了することを顧客に通知した。同社は別途最終的なウエハーのスケジュールを提供し、他の工場への移管を支援する計画だ。現在、TSMCは台湾に6インチ(150mm)ウエハー工場を1つ、8インチ(200mm)ウエハー工場を4つ、12インチ(300mm)ウエハー工場を4つ所有している。
TSMCは、廃止する6インチウエハー工場について今後の計画を明らかにしなかったため、この施設全体を売却するのか、それとも装置のみを売却するのかという臆測が飛び交っている。また、TSMCが6インチウエハー工場をスピンオフさせるか、あるいはパートナー企業に生産ライセンスを供与する可能性があるとの見方もあった。
しかし、地元メディアの報道によると、TSMCは、先端ノードで製造された300mmウエハーの先端パッケージング作業を補完するために、この工場を先端ICの組み立て拠点に転換する計画だという。
TSMCはGaN生産において先駆者であり、2014年に6インチファブでこのワイドバンドギャップ(WBG)技術のウエハーを導入したことは特筆に値する。同社は2021年に生産能力増強のため、GaNウエハー製造を200mmファブに拡大した。しかし、それ以来、ファウンドリーの経済状況は大きく変化した。
まず、半導体企業は効率性とコスト効率の向上を目指し、ウエハーサイズの大型化を優先している。NXP Semiconductorsは、より効率的な300mmウエハー製造への移行の一環として、米国に3カ所、オランダに1カ所、合計4カ所の200mmウエハー工場を閉鎖する予定だ。
レガシーノードは依然として大きな割合を占めているが、300mmウエハーに移行することで、ウエハー当たりで取得できるダイ数が増え、サイクル時間が短縮され、効率を向上させられる。
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