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円筒型CIGS太陽電池のSolyndra社、500MW規模の新工場建設を開始エネルギー技術 太陽電池

» 2009年12月22日 16時48分 公開
[Mark LaPedus,EE Times]

 独自の円筒型太陽電池セルと同モジュールを製造する米Solyndra社は、同社としては2カ所目となる太陽電池製造工場の建設を開始した。いわば「Fab 2」となるこの工場は、現在の製造施設がある米カリフォルニア州フリーモントの近くに位置し、年間500MWの規模で生産を始める予定だ。同社は、注文を受けたが生産にまで手が回っていない契約を20億米ドル分以上抱えており、この新たな施設によって、それを解消できそうだ。新たな雇用も期待できる。

 同社は、大型で傾斜のゆるい商業施設の屋上向けに、太陽光発電システムの設計、製造、販売を手がけている。同社の太陽電池は、一般的な太陽電池とは異なり、円筒型になっている。設置するときは、円筒型の太陽電池を平行に何十本も並べる(図1)。

図
図1 図1 Solyndra社の太陽電池を設置したところ
円筒状の太陽電池を平行に何本も並べる。出典:米Solyndra社

 形状が円筒型になっているため、360度の太陽光発電面全体で光を受けられる。直射日光だけでなく、拡散光や反射光も受けて、発電に利用できるのだ(図2)。

図2 図2 Solyndra社の太陽電池の断面図
円筒形になっているので、反射光を底面で受けられる。出典:Solyndra社

 同社独自の円筒型CIGS(Cu-In-Ga-Se)モジュールと、薄膜技術を応用した同社の太陽光発電システムは、傾斜の緩い商業施設の屋根に設置する場合、導入コストが最も安く、年間の発電量が最も多いと同社は主張している。

 Solyndra社は2009年3月、2005年エネルギ政策法(Energy Policy Act of 2005)のTitle 17が規定している借入保証を得て、米エネルギ省から融資を受けている。同社は、その融資を米財務省の連邦融資銀行から得ており、金額は5億3500万米ドルに上る。この資金を、新工場建設に充てる予定だ。

 さらに同社は、同社普通株の新規株式公開(IPO)に必要な登録届出書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。今回公開する株式は3億米ドル相当とみられる。株式公開の主幹事は、米Goldman Sachs社と米Morgan Stanley社が共同で務める予定だ。

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