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Bluetooth SIG、スマート・グリッド市場に乗り出す無線通信技術 Bluetooth

Bluetooth SIG(Special Interest Group)は、スマート・グリッドでBluetoothを活用する方法を調査するためのグループ「Smart Energy Study Group」を発足させた。

» 2010年03月02日 14時38分 公開
[Rick Merritt,EE Times]

 Bluetooth SIG(Special Interest Group)は、スマート・グリッドでBluetoothを活用する方法を調査するためのグループ「Smart Energy Study Group」を発足させた。英CSR社や米Broadcom社、米Emerson Electric社が立ち上げメンバーとして参加する。

 このグループは、スマート・グリッドを構成する技術を見渡して、スマート・グリッドにBluetoothを適用する可能性をあらゆる面から探る。さらに、市場と技術の動向を見渡して「Bluetooth Smart Energy」戦略を作成し、調査結果に基づいた推奨案をまとめる計画である。

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 Bluetooth SIGでエグゼクティブ・ディレクタを務めるMichael Foley氏は、「無線技術は、スマート・グリッドの利便性向上をめぐる競争において鍵を握る要素だ。適切な短距離無線通信技術を導入することで、電力メーター(スマート・メーター)と電子機器の間で、電力使用量に関する情報を交換したり、ユーザーが遠隔地から電力使用量を確認し、調整することが可能になる」と述べた。

 2009年10月、3年以内に米国全世帯の13%に当たる1800万世帯にスマート・メーターを設置する計画が明らかになった。この計画には米国政府が340億米ドルを拠出する。米国の市場調査会社であるABI Research社の分析レポートによると、2009年に世界全体でスマート・メーターを設置した世帯はおよそ7600万世帯だったが、2014年には2億1200万世帯に達するという。

 これまで、スマート・グリッドに向けた通信技術としては、短距離無線通信技術「ZigBee」や電力線通信技術が先行しており、Bluetoothは完全に出遅れていた。現在、出荷されているスマート・メーターの大部分はZigBeeによる通信機能を搭載している。ZigBeeや電力線通信技術は、米Pacific Gas and Electric社などが開発を支援している、ユーザーにネットワークを意識させない「Smart Energy 2.0」規格の一部となっている。

 Bluetooth SIGは、「Bluetoothは、携帯電話機やモバイル機器に向けた短距離無線技術として圧倒的に優位な立場にある。将来、これらの携帯型情報機器は、一般家庭のエネルギ使用量の遠隔監視や操作に使える可能性がある」と主張している。さらにBluetooth SIGは、2009年12月に承認されたBluetoothの低電力仕様(4.0)が、一般家庭向け電力メーターに適しているとしている。

 Foley氏は、「Bluetooth SIGは、米国や世界におけるエネルギー利用の管理のあり方を変える機会を得た。スマート・グリッド向け通信技術の一部としてBluetoothを普及させることに全力を尽くすのは責務と言える。この取り組みは、無線機器市場に利益をもたらすだけでなく、クリーン・エネルギ市場に大変革を起こす可能性がある」と述べた。

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