メディア

HDD大手SeagateとWDの2025会計年度業績、大幅な増収増益に：福田昭のストレージ通信（285）（1/2 ページ）

今回は米Seagate Technologyと米Western Digitalの2025年会計年度（2025年6月期）の業績を紹介する。

» 2025年08月18日 10時30分公開

[福田昭，EE Times Japan]

Seagateは3年振りの増収で利益が大幅に増加

　ハードディスク装置（HDD）の大手ベンダーである米Seagate Technology（以降はSeagateと表記）と米Western Digital（以降はWDと表記）が、2025会計年度（2025年6月期）の通期（年間）業績を相次いで公表した。公表日（現地時間）は同会計年度第4四半期の業績発表日と同じで、Seagateが2025年7月29日、WDが同年7月30日である。Seagateの四半期業績は本コラムの前々回、WDの四半期業績は本コラムの前回で概要をご報告した。

　なお両社は、前年の7月から本年の6月までを会計期間と定めている。両社の前会計年度（2024会計年度）の業績概要は、本コラムの第266回でご報告した。

　始めはSeagateの2025会計年度（2025年6月期）業績を説明していこう。売上高は前年比38.9％増の90億9700万米ドルである。3年振りに前年を上回った。営業利益はGAAPベースが18億9000万米ドル、Non-GAAPベースが21億2700万米ドルである。それぞれ前年の4.18倍、3.14倍と大幅に増加した。

　粗利益率はGAAPベースが35.2％、Non-GAAPベースが35.8％である。それぞれ前年から11.8ポイント増、10.3ポイント増となった。売上高営業利益率はGAAPベースが20.8％、Non-GAAPベースが23.4％である。

Seagateの2025会計年度（2025年6月期）業績まとめ［クリックで拡大］出所：Seagate Technologyの業績発表資料（2025年7月29日付）

Seagateの会計年度別業績推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの［クリックで拡大］

HDDの売り上げに占める大容量品の割合は87％に上昇

　主力製品であるHDD事業では、売り上げに占める大容量品（マスキャパシティ品）の割合が上昇している。2018年度（2018年6月期）には45％だったのが2020年度（2020年6月期）には57％に上昇した。2年後の2022年度（2022年6月期）には74％に増加し、大容量HDDへの依存度が高まった。2025会計年度（2025年6月期）の比率は87％とさらに上昇した。前年度比では7ポイント増である。