電力を動力源とする3種類の自動車、すなわちHEV(ハイブリッド車)、PHEV(充電可能なハイブリッド車)、EV(電気自動車)の比率も徐々に変化する。2020年にはHEVの比率が84%に低下するという。HEVでの電力の使い方も変わっていくと予想した。
野村総合研究所は2010年3月15日、2020年までのハイブリッド車や電気自動車の販売市場規模の予測を発表した。対象市場は日本と米国、欧州、中国である。同研究所の予測によると、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)など、電力を動力源とする自動車の販売台数は2009年は215万台だった。これが2020年には1314万台に達するという(図1)。
高騰を続ける燃料価格、厳しくなる一方の環境規制、ユーザーの環境意識の高まりといった要因により、2010年以降は電力を動力源とする自動車の市場規模が急速に拡大するという。
電力を動力源とする自動車は3種類ある。HEVと、充電器による充電が可能なプラグインハイブリッド車(PHEV)、電気のみで走行する電気自動車だ。今後はこの3種類の自動車の販売台数の比率が変わっていくという。2009年はHEVが99%を占めていたが、同研究所の予測によると2015年には90%、2020年には84%まで比率が低下する。
一方、PHEVは2015年に50万台、2020年には140万台に達するという。EVも2015年には販売台数を25万台まで伸ばし、2020年の販売台数は75万台から最大155万台に達するとの予測だ(図2)。
そして、HEVにおける電力の使い方が変化するという。同研究所はHEVをさらに「マイクロハイブリッド車」と「マイルドハイブリッド車」「ストロングハイブリッド車」の3種類に細分化した。マイクロハイブリッド車とは、アイドリングストップ機能とブレーキ時のエネルギ回生のみを行う車種だ。マイルドハイブリッドは、これに加えて始動と加速時に電力で動力を補助するパワーアシスト機能を備える。ストロングハイブリッド車は、機能が最も多く、始動時にモーターで走行することなどが可能である。
現在の市場では、ストロングハイブリッド車が中心になっているが、2020年には3種類のHEVが販売市場を3分割するとした。
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