米エネルギー省と標準技術局(NIST)はZigBee Smart Energy 2.0を家庭内のスマートグリッド向け装置の標準規格として2009年に採用している。今回、無線LANの業界団体である「Wi-Fi Alliance」がZigBeeの業界団体と協力を開始した。
短距離無線通信の業界団体である「ZigBee Alliance」と無線LANの業界団体である「Wi-Fi Alliance」が2010年3月18日にスマートグリッド関連の取り組みを進めるために提携したと共同で発表した。スマートグリッドに向けた「ZigBee Smart Energy 2.0」仕様で用いる通信プロトコルを、無線LANの物理層を使ったネットワークでも利用できるようにする(図1)。
同プロトコルは、家庭内でスマートグリッドに接続する装置間を結ぶ基本的な規格として、ZigBee Allianceとスマートグリッド技術に携わる企業が開発した。この他、米Pacific Gas and Electric社を含む、電力インフラ事業を手掛ける企業も開発に携わったとみられる。
今回の提携は、ZigBee AllianceとWi-Fi Allianceとの幅広い連携事業の第1段階である。両団体は提携を通して、スマートグリッドを家庭内の無線ネットワークで実現するための開発を進める。
米エネルギー省(DoE:Department of Energy)と標準技術局(NIST: National Institute of Standards and Technology)は2009年、ZigBee Smart Energy 2.0を家庭内のスマートグリッド向け装置の標準規格として採用した。同仕様は、スマートメーター(電力計)の他、サーモスタットや家庭用娯楽機器、コンピュータ、電気自動車などの間でデータの送受信に利用できる。消費電力の監視の他、消費電力を削減するために、遠隔操作が可能になる。
Wi-Fi AllianceでCEOを務めるEdger Figueroa氏は、報道機関向けの声明の中で、「今回の提携は、相互接続したスマートホームの真の実現への展望をもたらすのに役立つ。今回の提携に向けた合意を受けて、双方の団体からの代表者らは今後、提案があった全てのソリューションの実現を早めるため、それぞれのスマートグリット技術の情報をお互いに提供し合えるようになる」と述べた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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