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2009年に有機ELディスプレイが急成長、スマートホンが需要をけん引ディスプレイ技術 有機EL

» 2010年04月06日 17時18分 公開
[Peter Clarke,EE Times]

 米国の市場調査会社であるDisplaySearch社によると、2009年の有機ELパネルの売上高は、2008年比で35%増の8億2600万米ドルに跳ね上がったという。

 2009年に有機ELパネルが売上高を急に伸ばした要因は、携帯電話機のメイン・ディスプレイ向けとして、アクティブマトリクス方式の有機ELパネルの需要が急増したことが挙げられる。2009年、アクティブマトリクス方式の有機ELパネルの売上高は、単純マトリクス方式の有機ELパネルを初めて上回った。

 DisplaySearch社によると、アクティブマトリクス方式の有機ELパネルの2009年通年の売上高が、5億3700万米ドルに達した。一方の単純マトリクス方式の有機ELパネルの2009年通年の売上高は、2億9100万米ドルだった。携帯電話機の設計は、サブディスプレイに単純マトリクス方式の有機ELパネルを搭載したクラムシェル型(折りたたみ式)から、大型のアクティブマトリクス方式の有機ELパネルを採用したスマートホン(図1)へ移行しつつあり、その結果、2009年の単純マトリクス方式の有機ELパネルの需要は落ち込んだ。

図1 図1 有機ELパネルを搭載したスマートホン
米Google社の「Nexus One」。

 DisplaySearch社でアナリストを務めるHiroshi Hayase氏は、「当社は、2010年もアクティブマトリクス方式の有機ELパネルは好調に売上高を伸ばし続けると見ている。単純マトリクス方式の有機ELパネルの需要を回復させるには、自動車や家電など、新しい用途に向けた技術を開発する必要がある。これらの製品には現在、液晶パネルが採用されている」と述べた。

 有機ELパネル・メーカーの中で、2009年に特に売上高を伸ばしたのは韓国Samsung Mobile Display社だ。その売上高は、2008年比90%増の5億6600万米ドルに達し、ほかのすべての有機ELパネル・メーカーをはるかに凌ぐ規模となった。2位は台湾RiTdisplay社で、売上高は2008年比19%減の1億600万米ドル。3位の東北パイオニアは前年比15%減の6000万米ドルだった。TDKは売上高を2008年比で15%増やし、2009年も4位の座を維持した。中国Visionox社の売上高は1500万米ドルに上昇し、5位にランクインした。

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