産業技術総合研究所は、2010年4月20日、3次元(3D)映像を家庭で視聴する際のガイドライン「3DC安全ガイドライン」の改訂版を公開した。同時にガイドライン策定の際に用いた「3D生体影響文献抄録集」を発表した。3Dコンソーシアムとの共同発表である。今後は、ISO「3D映像ガイドライン国際規格原案」を2010年度内に策定するという。
3D映像は既存の2次元(2D)映像と比べて、視聴者の姿勢や個人ごとの感受性によっては、悪影響が生じることがある。このため、3Dコンソーシアムが最初のガイドラインを2004年12月に策定し、2008年11月に一般公開していた。3D映画の盛り上がりや、国内市場で3Dテレビが発売される中、現在の技術水準に合わせた改訂版を公開した形である。
3DC安全ガイドラインでは、3種類の指針を示した。「視聴者に周知すべきガイドライン」(GL-1〜7)は、視聴姿勢や視聴時間、低年齢層への配慮などを挙げた。「コンテンツ制作者のためのガイドライン」(GL-8〜13)では、ディスプレイの寸法と視差情報の関係や、撮影時に使用するカメラの同期などについて触れている。「製造者のためのガイドライン」(GL-14〜15)では、左目が受けるべき映像と右目が受けるべき映像が一時的に混在することによって起こるクロストークをなるべく小さくすることや、時分割表示方式を採ったときの推奨周波数を示した。
3D生体影響文献抄録集では例えば、「明るさずれに対する許容範囲:両眼間で25%以上違ってはならない」といった情報を書誌情報と併せて提示した。
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