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【ESEC 2010】ルネサスとNECエレ統合後初のESEC、展示内容にもひと工夫プロセッサ/マイコン

ルネサス エレクトロニクスが注力する事業分野は、「マイコン」、「システムLSI」、「アナログ&パワー半導体」の3つ。ESECに関連したマイコン分野の全世界における市場シェアは1位となる。

» 2010年05月12日 11時00分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 ルネサス テクノロジとNECエレクトロニクスが2010年4月1日に統合し、国内最大の半導体ベンダー「ルネサス エレクトロニクス」が誕生した。2010年5月12日〜14日の日程で開催中の組み込み機器の総合展示会「第13回組込みシステム開発技術展(ESEC 2010)」は、統合後初の展示会となった(図1)。統合後およそ1カ月で開催された展示会だけに、準備は大変だったようだ。「事業戦略もまだ固まっていない段階で、いかに製品群をアピールするかに苦心した」(ブース運営担当者)。製品の紹介の仕方も、これまでと様変わりしたものだった。

 ルネサス エレクトロニクスが注力する事業分野は、「マイコン」、「システムLSI」、「アナログ&パワー半導体」の3つ。ESECに関連したマイコン分野の全世界における市場シェアは1位となる。これまでの展示会では、例えばルネサス エレクトロニクスだと「RX」や「SH」、NECエレクトロニクスだと「V850」といったように、各社のマイコン・ブランドを前面に出した展示内容だった。

ALT 図1 ルネサス エレクトロニクスのブース

 これに対して今回の展示会では、パネルのタイトルに製品名を出さず、「スマート・ホーム」、「スマート・ビルディング」、「自動車」、「ヒューマン・インタフェース」といったようにマイコンの用途や利用例を前面に出すことにした。その上で、用途ごとに適したマイコン・ブランドを列挙している。「マイコンの製品群はこれまでよりも広がった。メモリ容量や搭載した機能、パッケージなど、顧客のニーズに対してより適した製品を提供できるようになったと考えている」(ブース運営担当者)。

 例えば、「家庭内ネットワークによるLED照明のエネルギーコントロール」という展示では、「78K」、「M16C」、「R8C」という3つのマイコンを使ったデモを見せていた(図2)。ZigBeeを使った無線通信と電力線通信を活用して、LED照明を調光制御するというもの。照明の制御には、タッチ・スイッチを使う。LED制御、電力線通信、ZigBee通信、タッチ・スイッチ制御というそれぞれ機能において、適したマイコンを使っているとする。

 もちろん、旧ルネサス テクノロジと旧NECエレクトロニクスのマイコンは、それぞれ開発環境が異なる。開発環境の統合や整理は、今後の取り組みとして進める。

ALT 図2 アプリケーションを前面に出し、適したマイコン・ブランドを列挙

ニューモニクスのブースにはマイクロン・ロゴ

 ニューモニクス・ジャパンにとっても、ESEC 2010は新たな環境での初の展示会となった。米Micron Technology社がスイスNumonyx社の買収を完了したと正式発表したのが、開幕のわずか5日前の5月7日。ニューモニクス・ジャパンのブースには、「numonyx is now Micron」というメッセージが掲げられていた(図3)。

 展示内容そのものはNumonyx社の製品群だが、同ブースにはMicron Technology社の日本法人の営業と技術の担当者が、顧客からの問い合わせに答えるために最終日まで待機している。

ALT 図3 ニューモニクス・ジャパンのブースには、「numonyx is now Micron」の文字

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