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半導体メーカー数社がGoogleのオープンソース・コーデックを支持組み込み技術

» 2010年05月24日 15時46分 公開
[Rick Merritt,EE Times]

 英ARM社や米MIPS Technologies社、米NVIDIA社、米Texas Instruments社などの携帯機器向け半導体メーカーは、米Google社が2009年8月に買収した米On2 Technologies社のビデオ・コーデック「VP8」を普及させる動きを支持することを明らかにした。

 Google社は、米国のサンフランシスコで開催した開発者会議「Google I/O」(2010年5月19日〜20日に開催)で、ビデオ・コーデック「VP8」のソースコードをオープンソースで公開し、誰でも無料で使えるようにすると表明した。VP8は、無償で使えるようになったことで、HTML5に新たに加わる「video」タグの標準フォーマットの地位に近づいたといえる。

 同社はさらに、ビデオ・コーデック「VP8」とオープンソースのオーディオ・コーデック「Vorbis」を組み合わせ、「WebM」という新しい動画ファイル・フォーマットを開発したと発表した。同社のブラウザ「Chrome」と映像配信サービス「YouTube」で使っていくとしている。さらに、Webブラウザ「Firefox」を開発している非営利団体である米Mozilla Foundationと、Webブラウザ「Opera」を開発しているノルウェーOpera Software社も、WebMで使う両方のコーデックに対応することを明らかにした。

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 現在、多くのWebブラウザは、ビデオ・コーデックとして「H.264」を採用している。このビデオ・コーデックは、使用時にロイヤルティーが発生する。今回の一連の取り組みは、ロイヤルティーの負担からWebブラウザ開発者を解放しようとするものだ。ただし、半導体メーカーにとっては、それぞれの半導体チップで対応しなければならないコーデックが1つ増えることを意味する。

 MIPS Technologies社でマーケティング担当のバイス・プレジデントを務めるArt Swift氏は、「実績があるオープンソースのビデオ圧縮技術が無償で利用可能になることで、Webの世界でのビデオ配信はその形を変えるだろう。MIPS Technologies社では、われわれのライセンスを取得している企業がVP8を続々と使うようになると期待している。すでに、ライセンスを取得している企業の中には、VP8やその前世代品を使っている企業がある」と述べた。

 Texas Instruments社の広報担当者は、現在サンプル出荷中のプロセッサ「OMAP 4」が「VP8」に対応することを明らかにした。ハードウエアのエンコーダやデコーダを搭載すると見られる。

 Google社は、米Brightcove社やスイスLogitech International社、ルクセンブルクSkype社など、WebM projectを支援する20社を超える企業を発表した。しかし、そのリストの中に大手家電メーカーの名前はなかった。米Microsoft社は公式ブログで、同社の次期Webブラウザ「Internet Explorer 9」では、VP8のコーデックさえインストールしておけば、Internet Explorer 9でVP8の動画再生にが可能になることを明らかにしている。

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