米国の調査会社であるABI Research社は、2010年の無線LANチップの全世界における出荷量が、2009年比で約33%増加し、7億7000万個以上になるとの見込みを明らかにした。
ABI Research社によると、IEEE 802.11n対応チップの出荷量が2010年内に無線LANチップの総出荷量のおよそ60%を占めるまでに急増し、802.11g対応チップに大差を付けて市場を独占するという。
無線LANチップを搭載した機器の台数が最も多いのは携帯電話機およびスマートフォンだ。そして、今後5年間は、携帯電話機やスマートフォンの市場が、無線LANチップを最も多く使うという傾向に変わりはないだろう。携帯電話機やスマートフォンに向けた無線LANチップの出荷量は2009年〜2015年の間に年平均で25%ずつ増加すると見られる。
ABI Research社によると、2015年には、携帯電話機やスマートフォンの総出荷台数のうちおよそ40%が無線LAN対応モデルになるという。携帯電話機のほかに、無線LANチップ搭載機器の出荷台数増加が見込める製品としては、ノートPCやネットブック、携帯型情報機器などが挙げられる。これらの分野における成長傾向は今後数年間続くものと、ABI Research社は予測している。
ABI Research社で半導体業界担当アナリストを務めるCelia Bo氏は、「家電製品の無線LANチップ搭載率は、確実に増加傾向にある。2015年には、無線LAN機能を備えた家電製品の総出荷台数が5億3000万台を超え、2009年〜2015年の間に年平均で26%ずつ成長する見込みだ。特に、無線LANに対応するデジタルカメラやテレビ受像機、Blu-rayレコーダの2015年の出荷台数は、2009年と比較して10倍以上に増加するだろう。一方、無線LANに対応する家庭用エンタテインメント機器に対する需要も高まっている。その代表格といえるネットワーク対応ゲーム機と携帯型ゲーム機は2009年〜2015年の間の年平均の成長率はそれぞれ、8%、6%を記録すると見込んでいる」と述べた。
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