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【VLSI 2010】インテル、Single-chip Cloud Computerの詳細を明らかにプロセッサ/マイコン

» 2010年06月22日 16時07分 公開
[Mark LaPedus,EE Times]

 米Intel(インテル)社は、2010年6月15日〜17日に米国ハワイ州で開催された半導体デバイスに関する国際会議「2010 Symposia on VLSI Technology and Circuits」で、「テラスケール」のプロセッサの研究開発の成果を披露した。

 同社は2009年12月に、48個のプロセッサコアを搭載する「Single-chip Cloud Computer」と呼ぶ試作プロセッサを披露している。high-k(高誘電率)/金属ゲート技術を適用し、45nm製造技術で試作したものだ。この試作プロセッサは、2つのコアをセットにした「タイル」単位で構成されている。また、同社が2007年に発表した「Polaris(開発コード名)」プロセッサとは異なり、広く普及しているIntel社のアーキテクチャ「x86アーキテクチャ」を採用している。

図1 図1 米Intel社が試作したSingle-chip Cloud Computer
48個のプロセッサコアを集積している。チップ左右端にはDDR3対応メモリコントローラを2チャネルずつ備える。

 Intel社によると、将来的には、Single-chip Cloud Computerをパソコンに搭載して人間並みの視覚を持たせ、人間と意思疎通させることも可能だという。同社は現在、研究パートナーに同プロセッサを配布している。

 2010 VLSI Symposia on VLSI Technology and CircuitsでIntel社が発表した論文によると、Intel社はSingle-chip Cloud Computerのタイル間の通信速度を40%改善したという。エネルギ効率は、1ワット当たり7.2Tビット/秒。動作周波数は60MHz〜2.35GHzで、動作電圧は550mV〜1.25Vだという。

 Intel社は、Single-chip Cloud Computerの研究成果を取り入れた「Many Integrated Core(MIC)」と呼ぶ新しいアーキテクチャのプロセッサを製品化すると発表している。MICアーキテクチャには、同社がGPU(Graphics Processing Unit)としての開発を断念した「Larrabee(開発コード名)」の研究成果も利用している。同社は現在、MICアーキテクチャを採用した最初の製品として、22nm製造技術を適用し、50個以上のプロセッサコアを搭載する「Knights Corner(開発コード名)」を開発中だ。

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