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» 2010年07月13日 16時35分 公開

中国の偽造携帯電話機の販売台数、政府の摘発により減少ビジネスニュース 業界動向

[Dylan McGrath,EE Times]

 中国では、携帯電話機の密輸や偽造が問題となって久しい。市場調査会社である米iSuppli社は、中国政府はこの問題に真剣に対処し始めたと伝えている。

 中国政府は2010年6月に偽造携帯電話機の密輸を摘発し、同月に中国で販売された偽造携帯電話機の台数は減少した。iSuppli社で中国調査担当ディレクターを務めるKevin Wang氏によると、この摘発で、中国国内メーカーの一部は打撃を受けたが、世界的な大手OEMメーカーは大きく売り上げを伸ばしているという。同氏は、「中国政府による摘発は、偽造携帯電話機の市場に大きな影響を及ぼすだろう」と語っている。

 政府による摘発が功を奏し、2010年6月に中国で販売された偽造携帯電話機の台数は2010年5月と比べて25%減少したという。偽造携帯電話機とは、政府の規制当局による認可を受けていない携帯電話機を指す。

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 iSuppli社は、2010年に中国で販売される偽造携帯電話機の台数は、2009年の1億4500万台から18.6%増となる1億7200万台に達すると予測する。2009年に2008年比で43.6%増加していることと比べると、大きな進歩だ。

 携帯電話機には国際移動体装置識別番号(IMEI:International Mobile Equipment Identity)が1台ずつ個別に割り振られており、携帯電話の通信事業者はIMEIを利用して合法な端末であるかどうかを識別する。iSuppli社によると、偽造携帯電話機は、IMEIだけでなく、品質保証書や携帯電話の通信ネットワークへの接続許可書まで偽造して販売されているという。さらに、偽造携帯電話機メーカーのほとんどが、政府に付加価値税を納めず、違法に利益を得ているとみられる。

 携帯電話機向けEMS(電子機器の受託製造サービス)を手掛ける中国蘇州市のHualong Trade社は2010年6月、偽造携帯電話機の密輸および製造の疑いで、中国の税関当局による捜査を受けた。また、Hualong Trade社の顧客である携帯電話機の独立系設計事務所や偽造携帯電話機メーカーなども、中国国税局および商工会当局からの調査を受けているという。

 さらに、上海にある幾つかの独立系設計事務所も、Hualong Trade社向けに携帯電話機の基板と組み立て部品を製造した疑いで、現在取り調べを受けている模様だ。捜査は、Hualong Trade社と提携関係にあった偽造携帯電話機メーカーだけでなく、Hualong社に投資していたことが判明した企業数社にも及んでいるという。上海市北部のHuaqiang地区でも、「Shanzhai phones」と呼ばれる偽造/海賊版携帯電話機の商品流通センターの捜査が始まっている。

 中国の地方自治体では、長年にわたり偽造携帯電話機の製造販売や密輸の撲滅に取り組んでおり、中国中央政府は大規模な捜査を展開している。iSuppli社は、「数千もの携帯電話機の工場が、中国の設計事務所から携帯電話機の設計図を購入し、中国や世界各国で製品を販売しているため、捜査の影響は世界規模におよぶ可能性もある」と述べている。

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