ディスプレイ分野の市場調査会社である米DisplaySearch社によると、3D表示対応テレビ受像機の出荷数は、今や主要なテレビ受像機メーカーすべてからの製品が出そろったことで、2010年中に340万台に達し、2014年には4290万台まで成長することが予測されるという。
同社の最新リポートによれば、3D表示対応テレビ受像機の市場への浸透率は、フラットパネルテレビ受像機全体に対して5%となる2010年から、2014年には37%まで成長するという。
DisplaySearch社でテレビ関連の電子機器に関する調査部門のディレクターを務めるPaul Gray氏は、「テレビ受像機メーカーは、非常に速く製品を発売することに成功した。大きさ40インチから63インチに至る幅広い種類の3D表示対応テレビ受像機が既に市販されている。また、9月にベルリンで開催されるIFA(2010年9月3日〜8日開催予定)において、新製品の新たな波が押し寄せることは疑いないだろう」と、述べている。
また、同社のNorth America TV Research部門でディレクターを務めるPaul Gagnon氏は、2010年の上半期に米国内で3D表示対応テレビ受像機を発売したのはパナソニックと韓国のSamsung Electronics社だけだったと述べている。「早い段階での徴候から予想すると、3D表示対応テレビ受像機の発売状況は、Samsung Electronics社が2009年はじめにLEDバックライトの液晶テレビ受像機を発売したときと同じように、やや遅いペースになる。これは、北米地域での2010年の3D表示対応テレビ受像機の出荷数は200万台をやや上回る程度になるというわれわれの予測とも一致するだろう」(同氏)。
3D表示対応テレビ受像機の成長が予測されているにもかかわらず、コンテンツは依然として限られており、少数の映画やスポーツイベントが有料放送で配信されるだけに留まっているとDisplaySearch社は述べる。同社によれば、「アバター」など、3Dで劇場公開された映画ヒット作が3Dテレビで見られるようになるのは、2011年以降になるという。
北米と日本を除く地域において、Blu-ray Discプレーヤ、また特にHD放送の市場浸透度が低いことも、コンテンツ供給量の少なさに影響している、と同社は述べている。
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