NAND型フラッシュメモリは、2Xnm世代での競争が激しくなっている。東芝は2ビット/セル品としては最もチップサイズが小さいと主張する容量64GビットのNAND型フラッシュメモリの製造を開始した。
東芝は2010年8月31日、24nm製造技術を適用した容量64GビットのNAND型フラッシュメモリの量産を開始したと発表した。同社の四日市工場で生産する(図1)。メモリインタフェースは「Toggle DDR 1.0」仕様を用いた。
2ビット/セル品としては最もチップサイズが小さいと主張する。ただし、ウエハー当たりに製造できるチップ数を公開したくないため、チップサイズの具体的な値を公表していない。今後は32Gビット品の他、1セル当たりのビット数を3ビット/セルに増やした品種を開発するという。
今回の発表はNAND型フラッシュメモリのダイの量産であり、パッケージに封止した製品の計画は明らかにしていない。なお、量産計画の概要は同社が2010年5月に開催した経営方針説明会で説明していた(図2)。
NAND型フラッシュメモリは、2Xnm世代での競争が激しくなっている。先行したのは米Intel社と米Micron Technology社の合弁会社である米IM Flash Technologies社だ。2010年2月には25nm製造技術を用いた容量64Gビットの2ビット/セル品のサンプル出荷を開始した。ダイサイズは167mm2である。同8月には25nm製造技術を用いた容量64Gビットの3ビット/セル品のサンプル出荷を始め、ダイサイズを131mm2に縮小した。
韓国のメーカーは製造技術の詳細を明らかにしていないが、各社とも2Xnm世代品の出荷を開始している。韓国Samsung Electronics社は2010年4月に2Xnm世代品のサンプル出荷を開始し、韓国Hynix Semiconductor社も2010年8月に2Xnm製造技術を適用した品種の量産を開始した。米EE Times誌によれば、Samsung Electronicsは27nm、Hynix Semiconductor社は26nmの製造技術を用いているという。
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