大手コングロマリットのダナハー(Danaher)が、DC計測器を得意とするケースレーインスツルメンツを買収することが明らかになった。買収額は約3億4000万米ドル、買収に伴う現金支出を差し引くと約3億米ドルと推定される。
大手コングロマリットのダナハー(Danaher)が、DC計測器を得意とするケースレーインスツルメンツを買収することが明らかになった。買収額は約3億4000万米ドル、買収に伴う現金支出を差し引くと約3億米ドルと推定される。ダナハーは過去にやはり測定器メーカーのテクトロニクスとフルークを買収し、子会社化している。
買収は、ケースレーの株価の2010年9月28日の終値よりも74%高い、1株当たり21.6米ドルの現金で行われる。買収の発表を受けて、ケースレー株は9.02米ドル値上がりし、21.41米ドルになった。
買収契約はすでに、ケースレーの取締役会で満場一致の承認を得ている。契約の締結が完了次第、ケースレーはダナハー傘下のテクトロニクスに吸収される予定だ。
コンサルティングファームのFrost and Sullivanでテスト/計測グループのディレクタを務めるJessy Cavazos氏によれば、ケースレーのこの買収は、ダナハーがテスト/計測ビジネスにおける広範なポートフォリオを一手に集約しようという積極的な動きのあらわれである。
「ダナハーは、今後の動きを注視すべき企業である。同社は将来、テスト/計測業界におけるHP/アジレントのような存在になる可能性を秘めている」(同氏)。
Cavazos氏は、この買収を「補完的」と表現しており、「ケースレーがテクトロニクスにどのように統合されることになるのか、興味深い」という。ダナハーが2007年にテクトロニクスを買収した際には、「多くの人はテクトロニクスがフルークに統合されると予測していた」(同氏)。ところがダナハーは、同社の傘下でテクトロニクスを単独の企業として運営し続けており、最終的にはフルークと別の部門に振り分けている。
「ケースレーは、データ集録市場において第4位のメーカーであり、電子測定器業界で重要なプレーヤーである。オシロスコープ市場で高いシェアを持つテクトロニクスにとっては、補完的だといえる」(同氏)
ダナハーのエグゼクティブ・バイスプレジデントを務めるJim Lico氏は声明文の中で、「フルーク、テクトロニクスとともに、ケースレーを傘下に加えることで、計測機器・試験装置業界をリードする当社の立場はより強固なものになるだろう。また、今回の合併によって、新たな価値創造の機会を手にすることもできる」と述べた。
ケースレーの会長兼社長兼CEOを務めるJoseph P. Keithley氏は、同じ声明文の中で、「今回の取引は、ケースレーの株主にとって非常に価値のあるものだと信じている。ケースレーの顧客や社員に提供される機会の大きさを考えると、私自身も大変うれしく思う」とコメントしている。
この取引は、通例の取引実行条件に従って、規制機関による承認取得や、ケースレー株主による合併契約の採択を経た後、2010年第4四半期には締結される見込みだ。ケースレーの議決権の約20%を保有するJoseph Keithley氏のグループは、合併に賛成票を投じることにすでに同意している。
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