一般公開は今回が初めてだという。
KDDIは、LTE検証用端末の試作機をエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2010」(2010年10月5日〜9日に幕張メッセで開催)で展示した(図1)。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズと共同開発したもので、一般公開は今回が初めてだという。
KDDIは2012年12月にLTEの商用サービスを開始する計画を掲げており、2010年3月から栃木県の那須塩原地区で2GHz帯のフィールド検証を進めていた。現在は、都市部で利用する1.5GHz帯のフィールド検証に着手しており、今回展示した端末はこの検証において無線通信性能の評価に使う。
クアルコムがデータ通信カードに向けて供給するLTE対応チップセット「MDM9600」を搭載した。対応する周波数帯は現在のところ1.5GHz帯のみだが、今後、LTEの2GHz帯や800MHz帯のほか、CDMA 2000 1X EV-DOの2GHz帯や800MHz帯にも対応を進めるという。
展示では、ローデ・シュワルツのLTE対応無線機テスターが出力した試験用の無線信号を有線接続で検証用端末に入力し、同端末で復調するデモを見せていた(図2)。
国内での商用LTEサービスは、まずNTTドコモが2010年12月に提供を始める予定だ(図3)。KDDIの導入計画の2年先を行く。これについてKDDIは、「サービス開始時期そのものは比較的遅くなるが、開始当初からデータ通信カードのみならず、(音声通話も可能な)LTE対応携帯電話を提供できるように取り組みを進めていきたい。具体的には、音声通話については既存のCDMA 2000 1Xを利用する。さらに、LTEのサービス圏外でもEV-DOマルチキャリア対応のCDMA 2000 1X網にハンドオフすることで、データ通信を維持できるような仕組みも構築する」(同社の説明員)と説明した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.