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【CEATEC 2010】最大の特徴はチューニング機能、TDKが共鳴型ワイヤレス給電をデモワイヤレス給電技術 共鳴方式

» 2010年10月06日 19時46分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 TDKは、チューニング機能を搭載した共鳴型ワイヤレス給電技術を開発し、エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2010」(2010年10月5日〜9日に幕張メッセで開催)に展示した(図1)。

 現在、共鳴型ワイヤレス給電システムの開発を複数社が進めている。すでに製品化されている電磁誘導方式に比べ、比較的長い距離を高い伝送効率で送電可能であるものの、課題があった。送電側デバイスに対して受電側デバイスの位置が変化すると、伝送効率が低下してしまうことである。TDKの共鳴型ワイヤレス給電技術は、この課題の解決を狙ったものだ。

 受電側から送電側に情報をフィードバックすることなく、受電側の位置変化による共振周波数の変動を補償し、伝送効率の低下を防いだという。「シンプルな仕組みで、伝送効率を維持する仕組みを開発した」(同社の担当者)。共振周波数の変動を補償する方法は、明らかにしていない。

図1 図1 TDKも共鳴型ワイヤレス給電技術を開発中
共振周波数は数百kHzで、数Wの電力を送電している。コイルにコンデンサ素子を接続することで、所定の周波数で共振させた。製品化時期は未定である。

 想定する用途は、携帯型電子機器や家電、電気自動車などである。「送電側と受電側を離して使えることが生きる用途は多いはずだ」(同氏)と語った。

 同社が、共鳴型ワイヤレス給電システムのデモを披露するのは今回が初である。10年ほど前に、電磁誘導方式の送電/受電モジュールを製品化した技術の下地があることや、アンテナや高周波回路、電源回路といったワイヤレス給電システムに必要な要素技術のノウハウがあることが、共鳴型の開発に至った背景にある。

 電磁誘導方式については、薄型コイルと磁気シールドを組み合わせた携帯型電子機器向け製品を用意した。

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