ロームは、指に着脱可能なほど小型な脈波センサーを開発し、エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2010」(2010年10月5日〜9日に幕張メッセで開催)に展示した(図1)。
近赤外光LEDと、近赤外光を検出するフォトダイオードで構成した指輪状のセンサーで、同社は「ウェアラブル脈波センサー」と呼ぶ。血液に多く含まれるヘモグロビンは、近赤外光を吸収しやすい性質を持つ。従って、赤外線を指に照射し、血液に反射された近赤外光の強度変化を測定することで脈波を検出できるという。
現在は研究段階で、製品化時期は未定である。ただ、生体情報を定期的にモニタリングすることでヘルスケアに生かしたり、ゲームに応用するといった用途を想定している。会場では、脈派センサーで測定した脈波情報を、Bluetooth通信でスマートフォンに送るデモなどを見せていた。
血管の状態がくっきり
このほか、可視光から近赤外光という幅広い周波数帯域を検出可能な「CIGSイメージセンサー」を使ったデモもあった(図2)。血液に反射された近赤外光をイメージセンサーで検出することで血管の状態を可視化するというもの。近赤外領域に高い感度を持つ同社のCIGSイメージセンサーを使うことで、血管がくっきりと視認できることを見せていた。
想定する用途は、生体認証システムやセキュリティ用カメラなどである。イメージサイズや総画素数が異なる3品種の製品化を計画しており、最も製品化が早い品種は2011年末に量産を開始する予定である。
<訂正あり>記事初出時に、CIGSイメージセンサーの製品化時期について、「最も製品化が早い品種は2010年末に量産を開始する予定」と記載していましたが、正しくは「最も製品化が早い品種は2011年末に量産を開始する予定」です。本記事は、すでに修正済みです。
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