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» 2010年10月07日 14時04分 公開

【CEATEC 2010】16×16の非接触温度センサーアレイをオムロンが開発、感度も改善センシング技術

[薩川格広,EE Times Japan]

 オムロンは、サーモパイル型の非接触温度センサー(赤外線センサー)を16×16のマトリクス状に並べたアレイ品を、エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2010」(2010年10月5日〜9日に幕張メッセで開催)で展示した(図1)。2次元の温度分布を16×16画素(256画素)で捉えられる。測定対象の空間に存在する人間の数や動きを細かく検知することが可能だ。

 開発の背景については、「環境意識の高まりを契機に、照明や空調をはじめとしたさまざまな応用分野において、設置エリアの人体を検知してその情報を基に機器を制御することで無駄なエネルギー消費を抑えようという取り組みが進んでいる。そうした制御をさらに高度化すべく、機器メーカーから温度センサーの小型化や高画素化を求められている」(同社の説明員)という。

図1 図1 16×16の温度センサーアレイ
サーモパイル型センサーアレイチップと、マイクロミラーチップを積層している。出典:オムロン

 今回開発したのは、MEMS技術でサーモパイル素子を16×16のアレイ状に作り込んだセンサーチップと、やはりMEMS技術で製造した集光用のマイクロミラーチップを積層して1個のパッケージに封止したマルチチップモジュール品である。すでに同社はMEMSサーモパイル型温度センサーを製品化しており、アレイ品についても開発実績があった。今回のアレイ品では、そうした既存品にさらに感度を高める改良を加えている。具体的には、サーモパイル素子が赤外線の熱エネルギーをこれまで以上に高い効率で吸収できるように、次の2つの改善を施した(図2)。

図2 図2 パラボラ型ミラーと真空封止で感度を改善
赤外線の熱エネルギーを取りこぼしなくサーモパイル素子(図中の赤外線吸収膜)に吸収させられるようにした。

 1つ目の改善は、パラボラアンテナのように曲面状に加工したマイクロミラーを画素ごとに設けたことである。センサー部をいったん透過した赤外線を再度、サーモパイル素子に集光できるので、熱エネルギーの取りこぼしを減らせる。2つ目は、サーモパイル素子を真空封止する構造を採ることで、空気中への熱伝導による熱エネルギーの放散を無くしたことだ。ウエハー加工の段階で真空封止を施すため、CANパッケージで真空封止する場合に比べてコストの低減も可能だという。

 感度の改善度合いについては、具体的な数値は非公開としたが、「マイクロミラーの効果だけでも、同じ光量の赤外線が入射した場合の出力電圧が既存品の2〜3倍まで高まる」(同説明員)と説明した。一般にサーモパイル型温度センサーは、大きさと感度がトレードオフの関係にあるため、感度を既存品と同等にとどめれば、センサーを小型化できることになる。すなわち、パッケージサイズを維持しながら画素数を増やせるというわけだ。実際に、機器メーカーからは高感度化よりも小型化・高画素化を求められているという。「将来は、32×32画素まで高画素化が進むだろう」(同説明員)。

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