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NANDフラッシュ市場は2011年に18%成長へ、アイサプライが予測ビジネスニュース 市場予測

» 2011年01月21日 17時18分 公開
[Peter Clarke,EE Times]

 市場調査会社である米国のアイサプライは、2011年のNAND型フラッシュメモリの世界市場について、18%の成長を遂げて220億米ドル規模に達するとの予測を発表した。なおアイサプライは2010年に、HISによって買収されている。

 アイサプライによれば、NAND型フラッシュメモリは、タブレット型PCをはじめとする新しい民生機器の人気の高まりを受け、記憶媒体のデファクトスタンダード(事実上の標準)に位置付けられるようになってきたという。こうした傾向が、成長を後押しする要因となっている。NAND型フラッシュのビット換算の成長率は2011年に72%急上昇し、193億Gバイトに達する見込みだという。

 2010年のNAND型フラッシュメモリの売上高は、対前年比38%増となる187億米ドルだった。

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 HISのメモリ/ストレージ部門でシニアアナリストを務めるMichael Yang氏は、「NAND型フラッシュメモリ市場は、アップルの『iPad』の成功を受けて活気づき、さらにサムスン電子やデル、Research In Motion(RIM)などのメーカー各社からもタブレット型製品の相次ぐことから、2011年も爆発的な成長が見込める」と述べている。

 これまでNAND型フラッシュメモリの中で最も需要が大きかったのは、USBフラッシュドライブや、バンドル品のmicroSDカードなどのコモディティ製品である。ただしアイサプライの予測では、今後スマートフォンやタブレット型PCなどへの内蔵に向けてNAND型フラッシュメモリの需要が高まるにつれ、USBフラッシュドライブやmicroSDカードは、NAND型フラッシュメモリのアプリケーションとしては重要度が低くなっていくという。

 Yang氏は、NAND型フラッシュメモリ市場について、このような力強い成長を遂げているにもかかわらず、2011年末までには市場の状況が変化すると警告する。市場は現在、楽観的な雰囲気に包まれていることから、サプライヤは今後、生産過剰に陥る可能性があるという。そして2011年末までには、供給が需要を大きく上回るという危険性が表面化する恐れがある。このためNAND型フラッシュメモリ市場は、2012年にわずかに下降すると予測される。しかし、2013年には11%回復して、その後は再び上昇していく見込みだ。

 組み込み用途でもコモディティ用途でも、今後の成功を実現する鍵となるのがコントローラ技術の開発だ。フラッシュメモリに求められるECC(Error Correcting Code:誤り訂正符号)は、わずか4年ほど前まで2ビット程度だったのに対し、次世代フラッシュメモリでは60ビット〜80ビットが必要となる。

 アイサプライによると、今後フラッシュメモリメーカー各社がプロセス技術の微細化を2Xnmの前半まで積極的に進めるので、需要に対して十分な供給が可能だという。またサプライヤは、顧客メーカーからの認証を待つ間に、量産を先行して短期間で立ち上げるという判断を下すかもしれず、2011年前半には平均販売価格が下落する可能性があるという。

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