General Electric(GE)は、Gores Groupから株式非公開企業であるLineage Powerを買収する手続きを完了した。GEは、この買収によって獲得したAC-DC変換やDC-DC変換のエネルギー技術を活用して、年間200億米ドル規模の電力変換市場での事業拡大を狙う。
General Electric(GE)は、Gores Groupから株式非公開企業であるLineage Powerを買収する手続きを完了した。GEは、この買収によって獲得したAC-DC変換やDC-DC変換のエネルギー技術を活用して、年間200億米ドル規模の電力変換市場での事業拡大を狙う。
GE Energyでプレジデント兼CEO(最高経営責任者)を務めるLuis Manuel Ramirez氏は、この発表の中で「GEは、今回の買収によってGEに加わるLineage Powerの従業員を高く評価している」と述べ、Lineage Powerの培ってきた専門知識が、この事業買収を決断する大きな要因となったことを明かした。
GEは、バッテリやデータセンター、電気自動車、再生可能エネルギーの分野で、Lineage Powerと協業を進める計画だ。
Lineage Powerは、AC-DCコンバータやDC-DCコンバータ、インバータなどの電力変換装置を手掛けるメーカーで、米国テキサス州のPlano(プラノ)に本社を置く。約2300人の社員を擁しており、製造拠点を中国、メキシコ、インドに展開している。2010年の売上高は約4億5000万米ドルだった。
同社は複雑な歴史をたどっている。もともとの起源は、AT&Tの研究部門だったBell Laboratories(ベル研究所)と製造部門だったWestern Electricまでさかのぼる。AT&Tからルーセント・テクノロジーが分離した際にルーセントの通信機器用電源部門となり、その後2000年にタイコ エレクトロニクスに買収された。
GEのエネルギー事業は400億米ドルの規模がある。今回のLineage Powerの買収に先立って、2011年2月には米国テキサス州のダラスを拠点とするエネルギーインフラ企業のDresserも買収しており、エネルギー事業を積極的に拡大している。
Lineage Powerは、クラウドコンピューティングやモバイルインターネットインフラ向けの電力変換ソリューションを提供しており、具体的な製品群としてはAC-DC電源装置や、DC-DCコンバータモジュール、通信用エネルギーシステム、DCデータセンター、カスタム電源などを用意している。
GEは2011年1月に、モバイルコンピューティングの急成長に伴い必要性の高まった電源管理技術の拡充を目指して、Lineage Powerを5億2000万米ドルで買収することで合意していた。GEは、純負債を含めるとLineage Powerの市場評価額の8倍に当たる買収金額を提示したことになる。
このほか、GEは2010年にも、中国の合弁会社2社と英国のRemote Energy Monitoringの買収など、エネルギーサービス事業に関連した企業の買収に5億米ドルを投じている。
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