市場調査会社である米国のVLSI Researchは、2011年の半導体市場の成長予測を発表した。
市場調査会社である米国のVLSI Researchは、2011年の半導体市場の成長予測を発表した。
同社の前回予測では「2011年の半導体市場は、2010年から8.1%増となる2687億米ドルに達する」としていたが、今回これを「2010年から8.9%増となる2707億米ドル」に上方修正した。
VLSI Researchによれば、2010年の半導体市場は30.9%の成長を遂げた。ただし今現在の足元では、市場はまだら模様を呈している。同社はニュースレターの中で、「2011年の初頭以来、初めて受注が減少に転じた」と述べた。
同社は、「これはメモリ市場の低迷による影響が大きい。DRAMの需要は降下しており、いまだ底を打っていない。NAND型フラッシュメモリは堅調であり、軟調なメモリ市場の底上げに一役買っているものの、DRAMの低迷を相殺するには十分ではない。DRAM市場では2011年初頭に価格の反動が起きたため、業界関係者の間では、これで低迷期を脱し、2011年の後半には需要が盛り返すとの期待が高まった。しかし、最近のDRAMスポット価格は見通しが難しく、今後の需要の先行きに大きな懸念が生じている」と説明する。
しかもDRAM市場にとってはさらに悪いニュースがある。「DRAMのスポット価格は、DRAMの供給が滞るという噂が流れたにもかかわらず、2週連続で落ち込んだ。一部のDRAMメーカーがスポット市場での供給を続けていたため、こうした噂もDRAM価格の高騰にはつながらなかった。その結果、2011年の年頭にトレーダーの間に広がっていた楽観的な見方は、『要注意』に変わった。一方、NAND型フラッシュメモリはDRAMに比べると安定している。ただし、需要の低迷はNAND型フラッシュメモリにとっても常に付きまとう問題だ。こうした状況が、スポット市場での供給不足にもかかわらず、平均販売価格(ASP)を下落させる要因となっている」(VLSI Research)。
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