半導体関連の業界団体であるSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)は、半導体製造装置の設備投資額予測を上方修正したと発表した。
半導体関連の業界団体であるSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)は、半導体製造装置の設備投資額予測を上方修正したと発表した。
SEMIによると、2011年の世界全体での半導体製造工場プロジェクトにおける投資額は前年比22%伸びるという。この投資額には、工場の建設や設備、半導体製造装置の費用が含まれている。特に、半導体製造装置(新品と中古品を含む)に対する投資額は、2010年に比べて28%増に達する見込みだ。
ただしSEMIは、2012年の世界全体での半導体製造工場プロジェクトにおける投資額(建設、設備、半導体製造装置の費用を含む)は前年比5%減少する可能性があるという。半導体製造装置(新品と中古品を含む)への投資額は、2011年に比べて4%減ると見ている。
SEMIは2010年12月の時点で、2011年の世界全体での半導体製造工場プロジェクトにおける投資額(建設、設備、半導体製造装置の費用を含む)は前年比で18.3%増、半導体製造装置に対する投資額は前年比で23%増になると予測していた。
SEMIでシニアアナリストを務めるChristian Gregor Dieseldorff氏は、発表資料の中で、「2011年の半導体製造工場に対する設備投資総額は472億米ドルに達する可能性がある。約386億米ドルだったと推定される2010年の数字を上回る見込みだ。そうなればついに、過去最高だった2007年の設備投資総額である464億米ドルも超えることになる」と述べている。
設備投資額を増やした企業は複数ある。例えば、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)は、2010年の59億米ドルから2011年は78億米ドルに増やし、過去最高額を更新した。インテルの設備投資額は、2010年の52億米ドルから2011年は90億米ドルに上昇。GLOBALFOUNDRIESの設備投資額は、2010年の27億米ドルから2011年は54億米ドルへと倍増させている。
SEMIによると、「企業は、過剰投資や過剰供給を避けるために、投資の多くを既存設備のアップグレードに投じる傾向にある。半導体製造装置に対する投資額は過去最高を記録したが、新規設備に対する投資は当分の間、ほとんどないだろう。2010年には、34カ所で半導体製造工場の建設が始まっており、その多くがLED製造向けだった。2011年に建設が予想されるのは7カ所のみである。2012年には4カ所で建設が始まる可能性がある。新規に建設される工場の大部分がLED製造用である。SEMIのリポートには、2011年に建設が始まる予定の5カ所の新規LED向け製造工場プロジェクトの一覧表が掲載されている」という。
SEMIは2010年には、研究開発用と試作用を除く300mmウエハー対応の量産工場が7カ所で着工したとしていた。しかしSEMIによれば、「2011年は、インテルの工場が年半ばに着工する予定があるだけだ。2012年には、3カ所で300mmウエハー対応工場の建設が始まるだろう。このうち2カ所については、450mmウエハー対応のクリーンルームになる可能性がある」という。
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