ソニーは、中核事業であるエレクトロニクスおよびネットワークサービス事業の経営体制を、2011年4月1日付けで変更すると発表した。
ソニーは、中核事業であるエレクトロニクスおよびネットワークサービス事業の経営体制を、2011年4月1日付けで変更すると発表した。
今回の発表によって、代表執行役会長兼社長CEOを務めるHoward Stringer(ハワード・ストリンガー)氏の後継者に最も近い人物も明らかになった。Wall Street Journal紙は、Stringer氏の後継者として、現時点で有力なのは平井一夫氏だと報じている。Bloombergも、後継者争いでは平井氏がソニーの他の3人の執行役をリードする形となったと伝えている。平井氏はこれまで、「PlayStation」に代表されるゲーム事業を率いてきた人物である。
ソニーはStringer氏のもと、中核事業であるエレクトロニクスおよびネットワークサービス事業を、2つのグループに再編する。2つのグループの1つが、「コンスーマープロダクツ&サービスグループ」で、すべてのコンスーマー製品事業とネットワークサービス事業を担当する。もう1つのグループは、「プロフェッショナル&デバイス・ソリューショングループ」で、B2B事業やコンポーネント、半導体事業を担当する。
新体制では、現在執行役EVPを務める平井氏が代表執行役副社長に就任し、コンスーマープロダクツ&サービスグループを統括する。このグループは、テレビやホームビデオ、ホームオーディオ、デジタルイメージング、PC、ゲーム、モバイル機器など、ソニーの全てのコンスーマー・エレクトロニクス製品事業と、これらを繋ぐネットワークサービス事業を担当する。ソニーによれば、平井氏は現職において、ゲーム事業の再建や、PlayStation Networkの拡大 (2011年3月9日時点にて全世界で7400万以上の登録アカウント数を記録)を指揮してきたという。
一方のプロフェッショナル&デバイス・ソリューショングループは、執行役副社長を務める吉岡浩氏が統括する。このグループは放送局向け機器や業務用製品、半導体、電池、その他のデバイス事業を担当する。
新しい経営および人事体制は、ソニーの取締役会で決議された。ソニーの取締役会議長を務める小林陽太郎氏は、発表資料の中で「ソニーがStringerの下で推進しているトランスフォーメーションは、新たな成長と発展に向けて、次のステージを迎えようとしている。これを確実に実行していくために、Stringerが取締役会の要請に応じて、引き続き会長兼社長CEOとしてソニーの経営の指揮を執ることを、取締役会は全面的に支持するとともに、Stringerと新たに編成された経営陣をサポートしていく」と述べている。
ソニーは2011年2月3日に、2010年度第3四半期(2010年10月1日〜12月31日)の連結決算を発表した。同四半期の売上高は、円高の影響を受け、前年同期比1.4%減の2兆2000億円(272億3800万米ドル)となった。
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