2011年3月11日に米国で発売されたアップルの新型タブレット「iPad 2」の内部構造に関する情報が明らかになってきた。本稿では、EE Times誌と同じくUnited Business Media傘下の技術情報サービス企業であるUBM TechInsightsの分解リポートを写真とともに紹介する。
2011年3月11日に米国で発売されたアップルの新型タブレット「iPad 2」の内部構造に関する情報が明らかになってきた。本稿では、EE Times誌と同じくUnited Business Media傘下の技術情報サービス企業であるUBM TechInsightsの分解リポートを写真とともに紹介する。同社は現在、iPad 2のシステムや新プロセッサ「Apple A5」の秘密に迫るべく、分解調査を進めている。
iPad 2を分解したところ、クアルコムのマルチモード対応ベースバンドプロセッサ「MDM6600」が搭載されていることが明らかになった。クアルコムは、アップルの主力製品であるiPad 2において、ベースバンドプロセッサ市場の競合であるインフィニオンテクノロジーズを抑えてデザインウィンを獲得したわけだ。なお、インフィニオンのワイヤレス・ソリューション事業部は、2011年1月31日にインテルへの売却が完了している(参考記事:インテルがインフィニオンの無線事業買収を完了、新会社「Intel Mobile Communications」が始動 )。
UBM TechInsightsでテクニカルマーケティングマネジャーを務める Allan Yogasingam氏は、「インテルは、インフィニオンが『iPhone』や『iPad』のデザインウィンを獲得しているからこそ同社のワイヤレス・ソリューション事業部を買収したのであって、今となってはこの大きな買い物を後悔しているのではないかという見方もあるだろう」と述べた。
iPad 2には、アップルの過去の製品と同じ部品が多数使用されているという。Yogasingam氏は、その一例として、iPad 2がVerizon版iPhone 4とまったく同じ無線データカードを搭載していることを挙げている。
iPad 2の通信制御ボードに搭載されているチップは、以下の通りである(図1)。
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