ルネサス エレクトロニクスは、200mmと300mmの半導体前工程生産ラインを備えた那珂工場(茨城県ひたちなか市)における一部生産再開を2011年7月に目指すと発表した。
ルネサス エレクトロニクスは2011年3月28日、半導体前工程を受け持ち、200mmと300mmの生産ラインを備える那珂工場(茨城県ひたちなか市)の一部生産再開を2011年7月に目指すと発表した(図1)。具体的な生産再開計画は4月8日までに公開する。
那珂工場はマイコンシステムLSIの2割弱、アナログ・パワー半導体の1割弱を生産している。那珂工場で生産する半導体製品について、2011年5月末までの納期で受けた注文のうち、約7割は完成品や組み立てが始まっている生産途上品で対応できる計画だ。残り3割と5月以降の納期のものは、那珂工場の生産再開と、他工場での生産対策で対応するという。
那珂工場では地震によって、建屋や付帯設備、用役設備、生産設備に被害を受けたものの建物の安全性は確認できている。一方、外部の変電所の復旧を待つために通電が遅れた。
3月18日から構内変電設備の確認に入り、3月22日には300mm生産ラインのクリーンルーム内の状況確認を開始した。3月24日には300mmに加えて200mmの生産ラインのクリーンルーム内の状況確認を始めた。その結果、200mm、300mmとも装置の大幅なずれはないものの、装置内部に損傷があることが分かり、300mmについては装置の初期診断を開始した。3月28日からは生産系電力の復旧テストを開始し、並行して生産仕掛かり品の良否判定も始めている。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では同社とグループ国内22拠点のうち、8つの拠点で一時、生産を停止した(関連記事「ルネサス、地震により停止していた一部生産を再開」)。高崎工場(群馬県高崎市)と甲府工場(山梨県甲斐市)が計画停電の終了を待って立ち上げ準備中となっている他は、5拠点で生産を再開している(関連記事「ルネサス、米沢や津軽など4拠点で生産を再開」)。
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