メディア

RIM初のタブレット「BlackBerry PlayBook」を分解、主要チップの多くをTIが供給製品解剖 タブレット(1/2 ページ)

RIM初のタブレット端末「BlackBerry PlayBook」を分解したところ、主要チップの多くをTexas Instrumentsが供給していることが明らかになった。

» 2011年04月26日 12時45分 公開
[Rick Merritt,EE Times]

 スマートフォン「BlackBerry」で知られるカナダRIM(Research in Motion)が投入する初のタブレット端末「BlackBerry PlayBook」。2011年4月19日に北米で店頭販売が始まったこの新型端末をUBM TechInsightsが分解して解析したところ、主要チップの多くをTexas Instruments(TI)が供給していることが明らかになった。

 UBM TechInsightsでテクニカルマーケティングマネジャーを務める Allan Yogasingam氏によれば、TIはアプリケーションプロセッサ「OMAP 4430」の他、4つの無線機能を1チップに統合したコンボチップ「WL1283C」、電源管理チップ「TWL6040」、単一インダクタで昇圧と降圧の両方の動作に対応できる高効率コンバータ「PS63020」を供給する。PlayBookは、UBM TechInsightsが分解解析した機器の中で、TIの新製品であるこの無線コンボチップを採用していることが判明した最初の事例だという。同氏は、RIMが同社初となるタブレットにこの新型チップを採用したのは「大胆な決断だ」と述べている。

 UBM TechInsightsは、EE Times誌と同じくUnited Business Mediaの傘下にある技術情報サービス企業だ。同社はオンラインで公開しているPlayBookの分解解析のリポートの中で、RIMの新型タブレットをアップルの「iPad 2」やSamsung Electronicsの「Galaxy Tab」、Motorolaの「Xoom」と比較した結果も示している。

図1図2図3 UBM TechInsightsによるPlayBookの分解解析の様子。

 PlayBookでのデザインウィンにどれほどのインパクトがあるかについては、現時点ではまだ不透明である。PlayBookの初期のレビューでは、PlayBookがネイティブの電子メールソフトウェアを搭載していないことが指摘されていた。RIMの電子メールソフトウェアは、同社のスマートフォン「BlackBerry」を広く普及させた立役者である。さらにPlayBookは、Android用アプリケーションを利用できるものの、対象アプリケーションは現時点では一部にとどまる。

 RIMは、こうしたソフトウェアの対応不足については今後のソフトウェアリリースで改善していくと述べている。レビュアーの間には、このソフトウェアの対応不足は、RIMがPlayBookの市場投入を急いだからだという見方がある。

 下記は、UBM TechInsightsがPlayBookの分解解析で確認した部品のリストである。

  • SanDisk/東芝の16GバイトMLC NANDフラッシュメモリ「SDIN5C2-16G」
  • エルピーダメモリのLPDDR2対応1GバイトDRAM「B8064B2BPB」(OMAP 4330のパッケージ内に、システムメモリとしてPoP(Package on Package)技術で封止されている)
  • Texas Instrumentsのアプリケーションプロセッサ「OMAP 4430」(PoP技術でメモリを搭載している)
  • Texas Instrumentsの電源管理IC「TWL6040」
  • Intersilの「i951 9HRTZ F032RG」
  • Wolfson Microelectronicsのオーディオコーデック「WM8994E」
  • ST Microelectronicsの500万画素イメージプロセッサ「XTV0987」(Blackberry Torchにも採用されている)
  • Texas Instrumentsの無線コンボチップ「WL1283C」(無線LANとGPS、Bluetooth 4.0、FMの4つの機能を単一チップに統合した。TIはこのチップを「WiLink 7.0ソリューション」と呼ぶ)
  • Texas Instrumentsの昇降圧コンバータ「PS63020」(単一インダクタで昇圧と降圧の両方に対応する。4Aのスイッチ素子も内蔵した)
  • Invensenseの3軸MEMSジャイロ「MPU-3050」
  • Cypress Semiconductorのタッチスクリーンコントローラ「CY8CTMA3」
  • Bosch Sensortecのデジタル出力加速度センサー「BMA150」
  • Texas Instrumentsの汎用低電圧コンパレータ「LMV339」
  • IntersiのSMBus搭載NVDC(Narrow VDC)型レギュレータ/バッテリ充電IC「ISL9519」
図4図5 PlayBookのメインボード。左側の写真が前面、右側の写真が背面である。TIが供給する4個のチップのうち、3個はボードの前面に実装されている。背面にはTIのもう1個のチップの他、Invensenseの3軸MEMSジャイロが搭載されている。
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.