ほとんどのスマートフォンやタブレットは静電容量方式のタッチパネル機能を備えている。このため、台湾メーカーに対して静電容量方式の品種を求める声が高まるばかりだ。台湾メーカーの売上高は合計で2010年に76%も増え、TPK Holdingのように3倍に増加したメーカーもある。
韓国の市場調査会社であるDisplaybankが発表したリポートによると、台湾は今後、静電容量方式のタッチパネルの生産能力を倍増させる見込みだという。中小規模の液晶パネルメーカーが、抵抗膜方式のディスプレイや、タッチセンサーを採用していないディスプレイなど旧式の技術から静電容量方式に切り替えていけば、部品コストの削減が実現できるようになる。
Displaybankのリポートによると、スマートフォンやタブレットに向けた静電容量方式ディスプレイの需要が爆発的に増大していることから、台湾の既存のディスプレイメーカー各社は、売上高を急激に伸ばしているという。これを受け、新規企業が続々と市場に参入している。Displaybankの予測によれば、2011年のタッチパネルの売上高は、2009年比で76%増となる1042億米ドルに達する見込みだ。
リポートによると、TPK HoldingやWintek、JTOUCH、Young Fast Optoelectronics、Giantplus Technologyなどをはじめとする台湾のタッチパネルメーカーは、新しい製造ラインを増設中だという。また、AU Optronics(AUO)やChi Mei(CMI)、HannStar Display、Chunghwa Picture Tubes(CPT)などのパネルメーカーは、既存の第5世代以下の生産ラインを、タッチパネル用生産ラインに移行している。さらにYoung Fast OptoelectronicsとJTOUCHは、抵抗膜方式のディスプレイの生産から、静電容量方式のディスプレイの生産へと切り替えを進めているという。
TPK Holdingは急成長の波に乗り、2010年の売上高を3倍以上に伸ばした。また、ライバル企業であるWintekも、2010年の売上高を倍増させたという。
台湾でDisplaybankのアナリストを務めるストーン・オー(Stone Oh)氏は、「台湾のメーカー各社にとって今後の重要な課題は、生産量を増大させて価格を下げることだ」と述べる。また同氏は、「韓国のディスプレイメーカーも、静電容量方式ディスプレイの需要増大への対応が必要になる」と付け加えた。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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