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10GBase-T関連製品が多数登場、市場成長の兆しあり有線通信技術

IEEE 802.3an規格が2006年に標準化された後、なかなか製品化が始まらなかった10GBase-Tだが、ここに来て盛り上がりを見せている。大手による技術ベンチャー買収も進んでおり、10ギガビット・イーサネット市場がいよいよ立ち上がりそうだ。

» 2011年05月31日 23時17分 公開
[Rick Merritt,EE Times]

 2011年5月8日〜12日に米国ネバダ州ラスベガスで開催された「Interop Las Vegas 2011」では、標準的な銅線で10Gビット/秒の通信速度を実現する「10GBase-T」に対応した製品の発表が相次いだ。いよいよ、同技術の導入が進む兆しが見えてきた。

 Ethernet Allianceブースでは、Cisco Systemsが10GBase-T技術に対応した「Nexus 2000」スイッチを披露した。この他、Hewlett-Packardが10GBase-T技術を手掛ける米国の新興企業であるSolarflare Communicationsのチップを搭載した10GBase-Tスイッチモジュールを発表、Emulexは10GBase-TのPHYチップを手掛ける米国の新興企業Teraneticsの40nmチップを使ったボードをそれぞれ発表した。

 「10GBase-Tの市場がついに軌道に乗りつつあると感じた」。米国の市場調査会社であるThe Linley Groupでシニアアナリストを務めるボブ・ホイーラー(Bob Wheeler)氏は、Interop Las Vegas 2011に参加した感想をこのように語った。

10GBase-T製品開発に向け、企業買収相次ぐ

 10GBase-Tに対応した製品の開発に注力する企業は増えつつある。Marvell Technology Groupは2011年5月初旬に、Solarflare Communicationsの10GBase-T PHY技術を買収した。PCIチップの設計を手掛けるPLX Technologyは2010年9月に、Teraneticsを3600万米ドルで買収した。さらに、米国のファブレス半導体企業であるNetLogic Microsystemsも、10GBase-T技術を手掛ける新興企業のPlato Labsの技術を買収したと伝えられている。

 他の2社とは違い、10GBase-T技術を手掛ける新興企業であるAquantiaは現時点では、まだ買収されていない。同社は2011年5月初旬に、4ポート対応の10GBase-Tチップを発表した。同製品は、2011年後半に登場するIntelの「Sandy Bridge」サーバ向けCPUを使用した「Intel Romley」サーバボードのデザインウィン獲得を脅かす存在になるとも言われている。

 あるアナリストは、「10GBase-Tチップ市場は、2014年には3億5000万米ドルを上回る規模に成長し、その後も拡大が続く」と予測する。2006年に「IEEE 802.3an」規格が標準規格として認証されてから約4年が経過し、ようやく大きな展開が見えてきた。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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