ルネサス エレクトロニクスが、生産再開した那珂工場の300mmラインをマスコミに公開。同社の赤尾泰社長は生産再開時期の前倒しに「正直、ほっとした」と心情を吐露した。
ルネサス エレクトロニクスは、東日本大震災で被災していた同社の主力工場・那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産再開を受け、2011年6月10日に同工場の300mmラインをマスコミに公開した。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、同社とグループ国内22拠点のうち8拠点で一時、生産停止に追い込まれていた(関連記事「ルネサス、地震により停止していた一部生産を再開」)。特に同社主力工場である那珂工場の被災により、同工場で生産していた車載マイコンや汎用マイコン(一部生産)の供給不足が懸念されていただけに、1日も早い復旧・生産再開が待ち望まれていた。
同社は2011年5月11日の発表で那珂工場の復旧状況をアナウンス(関連記事「ルネサスが那珂工場の生産再開をさらに前倒し、製品の市場供給は10月末までに被災前のレベルに」)したが、その予定通り6月1日には200mmラインが、また6月6日には300mmラインがそれぞれ生産再開したことを明らかにした。
同社代表取締役社長の赤尾泰氏は6月10日の300mmライン公開で説明に立ち、「冒頭にお礼を言いたい」と語り、経済産業省/産業技術総合研究所/自動車工業会/同社株主・関連企業(約40社)/建設・プラント関連企業(約50社)/半導体・部材関連企業(約60社)/装置・IT関連企業(約200社)など各方面からの生産再開に向けた支援に感謝の意を表した。
「日本のみならず、グローバルで非常に多くの支援をいただいた。(支援に携わった人員は)延べ約8万人、4月初旬には1日に約2500人が動員された。これは那珂工場の従業員数(関連会社含め約1900人)をはるかに超える人数。長期にわたり多大な支援をいただいた結果、われわれの想像を超える驚異的なスピードで復旧できた」(赤尾氏)。
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