米半導体工業界の世界半導体生産能力統計や、世界半導体生産キャパシティ統計の発表が遅れている。震災後の日本企業の回答が遅れているためだと考えられる。
米半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)が遅くとも2011年6月に同団体のWebサイトで発表するはずの2011年第1四半期の世界半導体生産能力統計の公開が、7月4日にずれ込んだ。
世界半導体生産キャパシティ統計(SICAS:Semiconductor International Capacity Statistics)*1)のWebサイトは、2010年第4四半期の統計を最後に更新されていない。
*1)SICASは、世界の5つの業界団体(EECA、JEITA、KSIA、SIA、TSIA)の支援に基づいて運営されており、世界の主要半導体メーカー23社が会員として参加している。
SICASの報告書は、半導体製造企業23社の回答を基に、半導体業界全体の生産能力統計を算出している。
この統計は通常、各四半期末の6週間の期間内に参加企業に通知され、その約1週間後にSICASのWebサイトに掲載される。このルールにならえば、2011年第1四半期の統計は5月中旬〜末ごろに発表されるはずだ。
発表が遅れている理由の1つは、2011年3月11日に東日本を襲った地震と津波で被害を受けた日本企業の生産能力や設備稼働率の損失分の計上方法が明確になっていないことだと考えられる。これらの被害はたとえ規模が小さくとも、2011年第1四半期の統計に大きな影響を及ぼしたと思われる。しかし、2011年第2四半期には、その影響はさらに大きくなると予想される。
なお、製造設備の稼働率は、半導体資本支出が必要か否かを判断する指標となる。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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