Microsoftは、「Windows」の開発者向けイベント「Build Windows」において、最新OS「Windows 8」の詳細を明らかにした。
Microsoftは2011年9月13日、米国カリフォルニア州アナハイムで開催された「Windows」開発者向けイベント「Build Windows」において、「Windows 8」の詳細を明らかにした。Windows 8については、ARMプロセッサに対応することや、タイル状のアイコンが並ぶ「Metro」と呼ばれるユーザーインタフェースを採用すること、タッチスクリーンに対応することなどが既に発表されている。
MicrosoftのWindows & Windows Live部門でプレジデントを務めるSteven Sinofsky氏は、基調講演の中で、「Windows 8は、チップセットからユーザーエクスペリエンスに至るまで再考した。妥協のない新機能を提供するWindows 8は、これまでのWindowsを一新するものになるだろう」と語った(図1)。
MicrosoftはBuildにて、開発者向けにWindows 8のプレリリース版の提供を正式に開始した。Sinofsky氏によると、今後、まずはβ版を、その後にフル機能を搭載したバージョンを順次発表していく予定だが、具体的な発表時期については明らかにしていない。同氏は、「われわれがこだわっているのは質の高さであって、予定通りにWindows 8をリリースすることではない」と述べ、発表時期を優先するあまり、質がおそろかになっては無意味だという姿勢を暗に示した。
Microsoftによると、Windows 8向けのアプリケーションは、ソースコードが非常に書きやすいという。プレゼンテーションでは、写真共有アプリケーションをわずか58行のコードで書き上げるというデモも行われた。
Sinofsky氏は、「Windows 8では、XAML、Javascript、C++を含む、複数の異なる開発言語でアプリケーションを開発できる。すなわち、世界水準の開発ツールと開発言語を自ら選べるようになる」と語った。
これまで、Windows 8については、その互換性にまつわる疑問がささやかれてきた。「ARMベースのシステムにも対応するWindows 8が、x86で動作するように作られたアプリケーションにも対応するのかという点について、Microsoftは十分な情報を公開しているとはいえない」と指摘する機器メーカーもあった。Sinofsky氏はこうした懸念を拭い去ろうと、「Windows 8向けに作られたアプリケーションは、Windows 8を搭載したすべてのPCで動作する」と述べ、ARM/x86に関するWindows 8の互換性を強調した。
Microsoftによると、Windows 8は、ARMとx86の他、x64とx32にも対応するという。
またSinofsky氏は、アプリケーション配信サービス「Windows Store」についても触れ、「独自のアプリケーションを世界各国で販売できる」と開発者にアピールした。さらに、「Windows 8を搭載したすべてのPC向けに販売できるため、Windows Storeのプロジェクトが発進すれば、実に4億人を超えるユーザーが潜在的な顧客になる」と語った。
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