小型液晶テレビから超大型「オーロラビジョン」まで、あらゆるサイズ&デバイス&独自技術を持つ三菱電機。CEATECブースでは、レーザープロジェクタ技術を活用した色鮮やかなテレビに注目が集まるなど、特徴ある映像機器群を紹介していた。
三菱電機は、レーザープロジェクタや屋外用大型表示装置など、強みを持つデバイス・システムを活用することで、映像機器事業をさらに強化していく姿勢を鮮明にしている。「CEATEC JAPAN 2011」の同社ブースでは、独自特徴を多数盛り込んだ3in1液晶テレビ「REAL」MDR2シリーズ新製品のほか、参考出品として開発中のレーザーバックライト液晶テレビやレーザープロジェクタ光源なども披露。さらに、業界唯一のスケーラブル有機EL大画面ディスプレイ、超薄型の屋外用大画面LEDディスプレイ、常設用高輝度フロントプロジェクタなど特徴ある業務用映像機器も積極的にアピールしている。
同社の映像機器は、小型液晶テレビから超大型「オーロラビジョン」まであらゆるサイズ、映像デバイスとしても液晶モニター、リアプロジェクション、スケーラブル有機EL、LED、レーザープロジェクタ、DLPプロジェクタなど、競合他社を上回る幅広いデバイスをそろえており、これらを単品またはマルチ画面システムなど、ユーザーの用途に合わせて提案できることが大きな強みだ。映像機器ディーラーや官公庁・自治体など、過去からの太いパイプを持つ営業ルートとあいまって、特に業務用では高いシェアを誇っている。
今回のCEATEC JAPAN三菱電機ブースで注目を集めているのがレーザープロジェクタ関連の2つの新技術、「レーザーバックライト液晶テレビ」と「プロジェクタ用レーザー光源」だ。同社はRGBの3色全てにレーザー光源を採用したレーザーテレビ(国内商品名「LASERVUE:レーザービュー」)を3年前に世界で初めて商品化するなど、レーザープロジェクタ分野では世界トップクラスの実績を持つ。今回披露している新技術には、このノウハウを基に新たなビジネス展開を図ろうという狙いがある。
レーザー光源を使った映像は、ブラウン管や液晶、PDPといった従来の映像デバイスに比べて色再現力が非常に高いことが特徴。特に赤や緑などでは深みのある濃い色が再現できる。ただしデバイスのコストが高く、またレーザー光線が直接人の目に入ると危険なためその対策も必要であり、採用は特定用途の製品に限定されているのが現状だ。
「レーザーバックライト液晶テレビ」試作品に搭載したバックライトは、赤色レーザーとシアン色LEDを光源に採用。白色LED液晶テレビに比べ約1.3倍の範囲の色を再現できるという。また独自のカラーマネジメント技術により、彩度の高い原色と自然な色の再現を両立させることにも成功している。画質面での効果が明らかな技術であり、同社では今後、商品化に向けた開発を加速させる方針だ。
「プロジェクタ用レーザー光源」は、高い色再現性に加え、6万ルーメンまでの高輝度化が図れることが大きな特徴。通常のミニシアター用プロジェクタの輝度が1万2000〜1万3000ルーメンであることからも、その輝度特性が優れていることが分かる。また、高輝度ランプを使用する一般的なプロジェクタとは異なり、ランプが切れることがないためメンテナンスも不要。今後は、大スクリーン映画館向けプロジェクタのメーカーなどに対し、デバイスとして売り込みをかけていくという。
また「REAL」シリーズ最高峰となるプレミアムモデルMDR2については、ブース内部に設置した試聴室で新開発のNCVスピーカーのデモを実施している。コーン紙にカーボンナノチューブを配合した新スピーカーユニットを8個搭載することで歯切れのいい音を再現。DIATONEスピーカー健在をアピールしている。
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