矢野経済研究所の調査によれば、2020年の車載半導体の世界市場規模は、2011年の約2倍となる403億米ドル(約3兆2700億円)まで成長する見込みだ。
矢野経済研究所は2012年4月18日、2011〜2020年までの車載半導体の市場調査結果を発表した。同調査によれば、2011年の車載半導体の世界市場規模は、東日本大震災やタイ洪水の影響がありつつも前年比9.9%増の205億8000万米ドル(約1兆6700億円)となった。2012年以降も、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサーやパワー半導体を中心に平均7.8%の年平均成長率で拡大を続け、2020年には2011年の約2倍となる403億米ドル(約3兆2700億円)に達する見込みだ。
2011年の車載半導体市場におけるデバイス別構成比率は、車載マイコンが25.3%(52億1000万米ドル)、車載用半導体センサーが16.9%(34億7000万米ドル)、パワー半導体が13.9%(28億7000万米ドル)だった。各デバイスの前年比増加率で見ると、車載マイコンは1.2%の微増にとどまった。これは、東日本大震災の影響による一時的な供給不足や、車載マイコンの搭載数が10個以下の車両が中心の新興国市場が成長のけん引役となったためである。
一方、車載用半導体センサーは前年比11.9%増、パワー半導体は28%増と目覚ましい成長を遂げた。車載用半導体センサーの成長は、低燃費のエコカーや安全システムの市場拡大が、パワー半導体の成長は、モーターやECU(電子制御ユニット)の搭載数増加、電気自動車やハイブリッド車市場がそれぞれ要因となっている。また、2011年における車両1台に搭載される車載半導体の平均コストは279米ドル(約2万2700円)と推計している。
2012年の世界市場規模については、国内と北米における新車販売台数の増加が期待できることから、前年比10.5%増の227億4000万米ドル(約1兆8500億円)と予測している。
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