IDC Japanによれば、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)の走行に用いられる自動車駆動用蓄電池の国内市場は、今後年平均成長率25.7%で成長を続け、2016年には3165億円に達するという。
IDC Japanは2012年5月22日、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)の走行に用いられる自動車駆動用蓄電池の国内市場予測を発表した。2011年下半期(7〜12月)の出荷金額は、前年同期比で82.0%増の609億円、出荷容量は71.1%増の1002MWhとなった。また、出荷金額は今後年平均成長率25.7%で成長を続け、2016年には3165億円に達すると予測している。
2011年下半期の出荷金額を蓄電池の種類別で見ると、ニッケル水素電池が前年同期比1.6%増の303億円、リチウムイオン電池が同730.9%増の306億円となっている。同社の国内自動車駆動用蓄電池市場の調査において、半期ベースでリチウムイオン電池がニッケル水素電池の市場規模を上回るのは初めて。ニッケル水素電池の伸びの鈍化は、タイの洪水による自動車部品の供給停止などによりHEVの生産が影響を受けたことが原因になっているという。
また、2011年下半期のメーカー別シェアは、トヨタ自動車の子会社でHEV「プリウス」などにニッケル水素電池を供給しているプライムアースEVエナジーが同年上半期(1〜6月)に続きトップを維持した。2位は、日産自動車の子会社で「リーフ」などにリチウムイオン電池を供給しているオートモーティブエナジーサプライ、3位はパナソニック(旧三洋電機を含む)となった。
2012年上半期の市場予測は、出荷金額が前年同期比127.2%増の911億円、出荷容量が同127.3%増の1482MWh。蓄電池の種類別では、ニッケル水素電池が同71.7%増の381億円、リチウムイオン電池が同195.7%増の530億円となっている。2012年以降は、自動車メーカー各社が新たなEVやプラグインハイブリッド車の市場投入を予定していることから、それらに採用されるリチウムイオン電池が市場全体をけん引する見込み。このため、2011年下半期に続き、2012年通年でもリチウムイオン電池がニッケル水素電池の市場規模を上回ると予測している。
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