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» 2012年08月09日 08時00分 公開

―実践編(パラダイムシフト)――技術英語はプログラミング言語である「英語に愛されないエンジニア」のための新行動論(6)(2/4 ページ)

[江端智一,EE Times Japan]

「技術英語」をプログラミング言語と捉える根拠は?

 さて、私は先ほどから「技術英語」という用語を使っていますが、この用語について私には違和感があります。「英語」が「言語」であることは議論の余地がありませんが、私は、英文で記載された特許明細書、論文、設計仕様書の英語を、ただの一度として「言語」として認識したことがないのです。

 本来「言語」とは、「人間相互理解」の道具であり、「民族」という単位のポピュラーな指標であり、「文化」という荷物を過去から未来へ運ぶリヤカーのような役割もあります。しかし、「技術英語」には、そのいずれの機能もありません。「物」である製品やシステムの仕様、または製造方法や使用方法を達成するための手段のみが、淡々と記載されているだけです。

 「技術英語」が「言語」でなく、「英語」の下位概念ですらないとすれば、それは一体何でしょうか。結論から申し上げましょう。「技術英語」とは、「図」を構成要素とする「プログラミング言語」です。本連載においては、私達「英語に愛されないエンジニア」は、技術英語を以下のように把握するものとします。

(1)技術英語とは、2つ以上の技術英単語の組み合わせによって構成される命令文である。

(2)技術英単語は、表記文字列で表現される「記号」であり、当該「記号」は「図」に置換可能である。

(3)上記(1)、(2)より、技術英語とは、「図」を構成要素とする命令文の集合体からなる、プログラミング言語である。

技術英語というプログラミング言語の「シンタックス」

 では、技術英語というプログラミング言語のシンタックスを、図を使って簡単に説明します。図2の「A」、「B」、「C」は全て技術英単語です。「C」は動詞ですが、原則として、過去形も現在完了も過去完了も登場しません。唯一、受動態への活用があります。技術英語というプログラミング言語は、たった3つの単語だけで、1つの「絵」を表現するものと考えてよいです。もう少しかみ砕いて図示すると、以下の図3図4のような感じになります。図4は、図3をさらに具体的な対象に当てはめたものです。

図 図2 技術英語というプログラミング言語の構成

 技術英語という名のプログラミング言語の目的は、リーディングであろうが、ヒアリングであろうが、スピーキングであろうが、基本的にはこの「A」、「B」、「C」の図を、紙の上、ホワイトボードの上、または頭の中で描くことになります。現実には、このような図をリアルタイムで頭に思い浮べることは難しいのですが、それについては今後の連載で説明させていだだきます。

図 図3 技術英語というプログラミング言語をかみ砕いた構成

図 図4 図3に具体的な事象を当てはめた構成

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