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“世界最小”の電子部品を各社展示、肉眼で見えにくいほど小さい0201品もCEATEC 2012(1/2 ページ)

スマートフォンやタブレット端末に代表されるモバイル機器は多機能化や無線周波数帯のマルチバンド化が継続しており、筐体の限られた容積の中にそれらを詰め込むため、電子部品には引き続き小型化が強く求められている。それに応えるべく、寸法が0.2×0.1mm程度と極めて小さい抵抗やインダクタ、コンデンサがお目見えした。

» 2012年10月05日 07時30分 公開
[薩川格広,EE Times Japan]

 受動部品やディスクリート半導体、水晶発振器などを手掛ける電子部品各社は、「CEATEC JAPAN 2012」(2012年10月2〜6日、幕張メッセ)で、“世界最小”をうたう超小型品をこぞって展示した。スマートフォンやタブレット端末に代表されるモバイル機器は多機能化や無線周波数帯のマルチバンド化が継続しており、筐体の限られた容積の中にそれらを詰め込むため、電子部品には引き続き小型化が強く求められている。

0201サイズ品がお目見え

 村田製作所は、積層型のセラミックコンデンサとフィルムタイプのインダクタで、いずれも0201サイズの超小型品を出品した。寸法は、面積が0.250×0.125mmで厚みが0.125mmと、肉眼で視認するのが難しいほど小さい。このサイズの開発は世界初だという。既存の最小品は0402サイズ(0.4×0.2×0.2mm)で、スマートフォンで一部の機種に採用が始まっているところだ。これに対し0201品は、体積比で約75%小さくなる計算である。コンデンサとインダクタともに、今回展示したのは試作品であり、現在、2013年度末までにサンプル出荷を始められるように開発を進めているところだ。

村田製作所の0201インダクタ村田製作所の0201コンデンサ 左側の写真で、右側にあるのが0201サイズのフィルムタイプインダクタ。左側にあるのは1005品(1.0×0.5mm)である。顕微鏡で拡大して見せていた。スマートフォンなどの高周波回路に使える。右側は、1608〜0201の各サイズの積層セラミックコンデンサをそれぞれ100個ずつ並べて、総実装面積にどれほどの差が出るかを示したもの。 (クリックで画像を拡大)

 ロームは、0402サイズ(0.4×0.2×0.2mm)のツェナーダイオードを出品した。このサイズは、「ツェナーダイオードに限らず半導体製品全般の中でも世界最小だ」(同社)と主張する。ダイオードやトランジスタなどの半導体製品は、受動部品に比べて構造が複雑なため小型化が難しく、従来は0603サイズ(0.6×0.3×0.3mm)が最小だったという。2012年10月にサンプル出荷を開始し、2013年4月に量産を始める予定である。さらに同社は今後、ショットキーバリアダイオードなど、他のタイプのダイオードも0402サイズでとりそろえていく計画だ。

 なお同社はこの他にも、2011年10月に発表した「03015」サイズ(0.3×0.15×0.1mm)のチップ抵抗器も出品していた。500個を敷き詰めて実装したプリント基板上を展示し、0402サイズ品と比べて実装面積の削減効果が大きいことや、実装機メーカーの対応が進んでいることをアピールしていた。さらに、0201サイズ(0.2×0.1×0.07mm)の抵抗器の試作品も参考出品していた。

0402サイズのツェナーダイオード500個を敷き詰めてプリント基板に実装顕微鏡で拡大してみせる 左側の写真はロームの展示パネルで、0402サイズのツェナーダイオードの寸法と品種ラインアップを示したもの。ESD保護に使える品種を用意している。中央の写真は、2011年に発表した03015サイズの抵抗器のデモ用ボードで、サイズの異なる抵抗器をそれぞれ500個ずつ敷き詰めて実装したもの。右側の写真は、そのボードを顕微鏡で拡大して見せている様子である。 (クリックで画像を拡大)
0201サイズの抵抗器 ロームが参考出品した0201サイズの抵抗器の試作品である。円形の皿状にくぼんだ部分の中央に1個の抵抗器があるのだが、この写真では確認できないほど小さい。肉眼で見ても、周辺にあるほこりと区別がつかないほどだった。なおパネルには「撮影禁止」と書かれていたが、広報担当者から撮影許可が得られた。 (クリックで画像を拡大)
1612サイズのTCXO 京セラクリスタルデバイスが展示した1612サイズのTCXOである。 (クリックで画像を拡大)

 京セラのブースでは、京セラクリスタルデバイスが1612サイズ(面積1.6×1.2mm、厚み0.7mm)の温度補償型水晶発振器(TCXO)「KT1612」を展示した。2012年9月に発表したもので、世界最小だと主張する。従来の最小サイズは2016品(2.0×1.6×0.8mm)だった。小型化しながらも、2016サイズの同社従来品である「KT2016」に比べて位相ノイズを低減したことも特長だ。スマートフォンの高周波信号処理部に向ける。既にサンプル出荷を開始しており、量産出荷は2013年に始める予定である。

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