Appleが11月初旬に発売した第4世代のiPadは、「A6X」プロセッサを採用している。そのパッケージを開封してダイを分析したところ、iPhone 5が搭載する「A6」に比べてGPUコアの種類と数が異なることが判明した。同等の動作周波数で2倍の処理性能が得られるとみられる。そのダイ写真も公開しよう。
Appleは、2012年11月2日に新型タブレット端末「iPad mini」と「第4世代iPad(iPad Retinaディスプレイモデル、以下iPad 4)」を発売した。これを受けて、技術情報サービスを手掛けるUBM TechInsightsのエンジニアが両製品の分解調査を行った。ここでは、iPad 4で初めて採用されたプロセッサ「A6X」についての調査結果を紹介する。
iPad 4が搭載するA6Xは、Appleのスマートフォン「iPhone 5」に搭載されているプロセッサ「A6」を改良したものである。A6と同様に、A6Xもアプリケーションプロセッサのコアを2つ搭載しており、1GHzの周波数で動作する。ただし、A6はGPUコアを3個搭載しているのに対し、A6Xではアーキテクチャを改良して、GPUコアを4個(クアッドコアグラフィックス)搭載している点が大きく異なる。
当初、A6XもA6と同様に、Imagination TechnologiesのGPUコア「PowerVR SGX543」を搭載するとみられていた。しかし分解調査の結果、そうではないことが分かった。下の写真に示すように、チップ面積で比較すると、A6XはA6より約30%も大きい。この面積の増加は、GPUコアを1つ追加したことによるものだろう。
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