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ダイソンの新掃除機、4年かけて開発したモーターで40%静かにビジネスニュース 製品解剖(1/2 ページ)

ダイソンは、日本市場向けに掃除機の新製品「DC48」を発表した。100人超のエンジニアが4年をかけて開発した新型モーターの搭載により、従来品に比べて30%の小型化と40%の静音化を実現している。DC48を部品単位に分解する様子も紹介しよう。

» 2013年03月28日 17時30分 公開
[村尾麻悠子,EE Times Japan]
DC48

 英国の家電メーカーDysonの日本法人であるダイソンは2013年3月28日、日本市場向けに、キャニスター(床移動)型掃除機の新製品「DC48」を発表した。従来品の「DC46」に比べて、30%の小型化と40%の静音化を実現したという。

 小型化と静音化を実現したカギになるのが、100人を超えるエンジニアが4年をかけて開発したというブラシレスモーター「DDM(ダイソン デジタルモーター) V4(以下、V4)」だ。わずか0.7秒で0回転/分(rpm)から9万rpmまで加速し、回転数は最大10万rpmを実現している。従来品に搭載しているモーターに比べて約1/3に小型化しつつ、パワーは同等レベルを維持しているという。

DC48を掲げる、DysonのシニアデザインエンジニアMatt Steel氏。「日本では、コンパクトで軽量、かつ静かな製品のニーズが高い。われわれは、製品を小型化しても、性能に妥協したことは一度もない」と語った(画像はクリックで拡大)。

 モーターを小型化したことで、掃除機本体(ボール)の直径を20cm程度にしても、従来品に比べてボール内部の空きスペースを十分に確保できるようになった。このため、排気経路をより長く取って、機械音を“分散”することが可能になったという。これが、静音化につながっている。ダイソンによると、「従来品はモーターが大きかったので、ボール内いっぱいにモーターが詰まっているような感じだった。そのため、空きスペースが十分に取れなかった」という。この他、モーターを吸音フェルトで覆ったり、排気口に吸音材を取り付けたりするなど、機械音を低減するためのあらゆる処置を施している。

DC48の断面図。青い部分が排気経路である。モーターを小型化したことで、排気経路を長くして機械音を低減することに成功した。(クリックで拡大)
V4の搭載により、DC48は、集じん力がDC46の89.6%から93.3%に向上した。左は、競合製品でカーペット上のチリを吸い取っているところ。カーペットは、十分きれいに見える(右)。(クリックで拡大)
きれいに見えるカーペットを、DC48でもう一度掃除する(左)と、写真右に示すくらいのチリが残っていた。(クリックで拡大)

 DC48は、2013年3月よりダイソンのオンラインストアで、同年4月より全国の家電量販店をはじめとする小売店で発売を開始する。本体のサイズは幅192〜193mm×奥行き361mm×高さ253mm。重さは2.7〜2.8kg。参考価格は、モーターで回転するブラシを備えたタイプである「モーターヘッド」が9万7800円、モーターを搭載しておらず、空気の力で回転するブラシを備えたタイプの「タービンヘッド」が8万9800円である。

 なお、Dysonはモーターの生産能力を強化するために、5000万ポンド(約71億円)を投資して、シンガポールに製造工場を新設した。これにより、従来の2倍となる、年間400万台のモーターを生産できるようになるという。

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