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電磁誘導方式の2つの規格に対応、IDTのワイヤレス給電用レシーバICワイヤレスジャパン 2013

IDTのワイヤレス給電用レシーバICは、電磁誘導方式の規格であるWPCとPMAの両方に対応している。

» 2013年06月03日 16時31分 公開
[村尾麻悠子,EE Times Japan]

 日本アイ・ディー・ティー(IDT)は、「ワイヤレスジャパン2013」(2013年5月29〜31日、東京ビッグサイト)において、ワイヤレス給電向けのレシーバICやトランスミッタICを展示した。注目されていたのは、WPC(Wireless Power Consortium)とPMA(Power Matters Alliance)の両方の規格をサポートするレシーバIC「IDTP9021」だ。WPCとPMAは、ともに電磁誘導方式のワイヤレス給電技術の規格策定/普及を進める業界団体である。


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 IDTP9021は、WPCの「Qi(チー)」規格と、PMAの「Type 1 Interoperability Specification(タイプ1 相互運用仕様)」に準拠している。給電する側(充電パッドなど)がどちらの規格に対応しているのかは、自動で判別できる。IDTによれば、「PMAから事前認証を取得し、かつWPCとPMAの両方の規格をサポートするシングルチップのレシーバICは業界初」だという。出力電力は最大5W。IDTのワイヤレス給電用トランスミッタICと組み合わせて使用すれば、7.5Wまで引き上げられる。

左は、WPC/PMAデュアルモード・レシーバIC「IDTP9021」の試作基板。右は、Qi規格に準拠したトランスミッタIC「IDTP9030」とIDTP9021を使ったデモンストレーション。IDTP9030がワイヤレス給電によって受け取った電力で、扇風機を回している(クリックで拡大)。

 スマートフォンやタブレット端末のユーザーが増えたことで、いつでもどこでも充電できるワイヤレス給電の普及も進んでいる。ワイヤレス充電パッドを設置するカフェや空港も増えてきた。スマートフォンをカーナビゲーションシステムとして利用するユーザーが増えていることから、車内にワイヤレス充電システムを搭載する動きもみられる。ある市場調査会社によれば、ワイヤレス給電市場は、2015年には240億米ドル規模に成長する見込みだという。

 IDTは、成長市場のワイヤレス給電向けに、引き続き注力していく。同社は、IDTP9030のように複数のワイヤレス給電規格に対応するマルチモードのレシーバIC/トランスミッタICや、ノートPCの充電にも使えるような出力45WクラスのレシーバIC/トランスミッタICなどの開発に取り組んでいる。

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