シスコの調査によると、2012〜2017年に世界のIP(インターネットプロトコル)トラフィック量は2.7倍に増加する。特に、2017年は大きな節目を迎えるという。2017年にインターネットユーザー数は全人口の48%とほぼ半数に達する見通しとなったからだ。また、世界におけるIPトラフィック量は、2017年に固定とモバイルを合算して1.4ゼタバイトに達する。
Cisco Systemsの日本法人であるシスコシステムズ(以下、シスコ)は2013年6月7日、世界におけるIPトラフィック量の推移と今後のトレンドを分析した年次調査報告書「Cisco Visual Networking Index(VNI)」の概要を発表した。調査によると、2012〜2017年に世界のIP(インターネットプロトコル)トラフィック量は2.7倍に増加すると予測。この結果、2017年の世界におけるIPトラフィック量は、固定とモバイルを合算して1.4ゼタバイト*)となる。そして、インターネットユーザー数は全人口の48%とほぼ半数に達する見通しで、2017年は大きな節目を迎える。
*)1ゼタバイトは、1021バイト、10垓バイト。
シスコのグローバルテクノロジー政策担当でバイスプレジデントを務めるRobert Pepper氏は、「2017年までに全世界のIPトラフィック量は年間で1.4ゼタバイトに達すると予想されている。この数値はインターネットが誕生した1984年から2012年までの累計トラフィック量の1.2ゼタバイトを、単年で上回ることになる。まさにゼタバイト時代の幕開けだ」と話す。2012年から2017年までの年平均成長率は23%増と予測されている。
日本市場のIPトラフィック量は、2012年の年間27.6エクサバイトに対して、2017年には97.2エクサバイトと3.5倍に拡大する。この間の年間平均成長率は28%増となり、世界市場に伸びを5ポイントも上回る。
IPトラフィック量が増大する要因としてPepper氏は、「インターネットユーザー数の増加」、「ネットワークに接続される機器数の増加」、「ブロードバンドの高速化」および「リッチメディアコンテンツの増加」の4つを挙げる。
インターネットのユーザー数は2012年の23億人(世界人口比約32%)と推定されているのに対して、2017年は約36億人となり、その比率は48%を超える予想だ。Pepper氏によれば、「日本では2017年にインターネットユーザー数が1億2950万人に達すると予測されており、ほとんど(99%)の人がインターネットにアクセスする」状況となる。
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