実際、NAND型フラッシュメモリの微細化は、ムーアの法則を超える勢いで進展している。メーカー各社が微細化によって最新世代のプロセス技術を実現した時点で、既存のプロセス技術からの切り替えが進んできた。
NAND型フラッシュメモリの先駆的企業である東芝は2012年、19nmプロセス技術で製造するNAND型フラッシュメモリを発表し、量産を開始した。2ビット/セルのアーキテクチャを採用し、記憶容量は64Gビット、チップ面積は94mm2だ。最大25Mバイト/秒の書き込み速度を実現する。また同社は2013年10月、スマートフォンやビデオカメラ、タブレット端末などに向けた、組み込み式NAND型フラッシュメモリモジュール製品群を発表した(関連記事:東芝、第2世代19nmプロセス採用組み込み向けNANDを発表)。容量が4Gビット〜128Gビットの品種をそろえる。同社は現在、3ビット/セル品の開発も進めているという。
Samsung Electronicsは、十数nmクラスのプロセス技術を用いた、TLC(Triple Leve Cell)のNAND型フラッシュメモリの開発に取り組んでいる。これは、「1Xnm世代のNAND型フラッシュメモリ」とも呼ばれる。TechInsightsによると、16nm世代のプロセス技術を用いて製造されているという。Samsungは、エンタープライズ用ストレージ市場のSSD向けとして、128GビットのNAND型フラッシュメモリチップの出荷を開始している。20nm世代のプロセス技術に対応した製造ラインを利用して新型チップを生産することにより、製造歩留まりを約30%高められる見込みだ。また、インタフェース仕様「Toggle DDR 2.0」を採用するため、400Mバイト/秒のデータ伝送速度を実現できるという。
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