2014年の自動車業界は、車載向けのAndroidアプリとiOSアプリの競争の場になるだろう。「2014 International CES」でも、Appleの車載ディスプレイ「iOS in the Car」に対抗する製品をGoogleが発表する予定だといわれている。
2014年、自動車業界はAndroidアプリ対iOSアプリの戦いの場になるだろう。
これまで携帯電話機向けのアプリを開発してきたソフトウェア開発者にとって、次なる目玉は車載向けプラットフォームだ。こうした背景の中、大手ソフトウェア開発メーカー同士の競争が始まろうとしている。
Googleは2014年1月に米国ネバダ州ラスベガスで開催される「2014 International CES」で、Appleの車載ディスプレイ「iOS in the Car」に対抗する製品を発表する予定である(関連記事:Appleがクルマのど真ん中を占拠!? 車載ディスプレイ「iOS in the Car」の衝撃)。
EE Timesにこれまでに入った情報によると、Googleは車載向けのAndroidに加えて、産業コンソーシアムの設立と通信規格の採用についても発表する予定だ。Googleの目標は、開発者が車載用アプリをより容易に設計できるようにすることだと思われる。
実際のところ、自動車メーカーのアプリ開発能力は、まだよく分からないのが現状である。また、アプリ開発者側も、フォード(Ford Motor)やGeneral Motors(GM)、BMW、トヨタ自動車向けなどに、異なるバージョンのアプリを個別に開発できる体制を整えることは難しい。
Apple、Google、自動車メーカー……。どの企業が車載用UI(User Interface)市場で優位に立つのだろうか。さらに重要なのは、安全で適切なUIをドライバーに提供するのはどの企業かということである。
Freescale Semiconductorの車載用アプリケーション・プロセッサ部門で事業開発担当のマネージャを務めるDan Loop氏は、EE Timesとの最近のインタビューの中で、「iOS in the Carは、間違いなく革新的な製品になる」と述べた。Loop氏は、Appleのようなソフトウェア企業と協業する目的は、車載インフォテインメントシステムに「iPhone」(iPhoneの画面)やiOSアプリを統合することだと説明した。同氏によれば、この目的を達成するためには、車載用ソフトウェアをシステムレベルで統合することが必要になるという。
同じことはAndroidにも当てはまる。Googleは、ピアツーピアの通信規格「Wi-Fi Direct」を応用した「Miracast」を採用し、Androidスマートフォンで動作するアプリを車載ディスプレイに映し出せるようにする計画を打ち出している。
爆発的な勢いで普及し続けているスマートフォンによって、車載インフォテインメントの定義が変わりつつあるのは間違いない。
だが、自動車とモバイル機器の互換性という課題が大きくのしかかっている。
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