日本ナショナルインスツルメンツの新しい計測器「VirtualBench」は、オシロスコープ、関数発生器、デジタルマルチメータなど5つの計測器の機能を1台に搭載した製品だ。「iPad」とWi-Fiで接続し、専用のアプリを使って直感的に操作できる。
日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は2014年6月17日、5種類の計測器の機能を1台に搭載した「VirtualBench」を発表した。ミックスドシグナルオシロスコープ、関数発生器、デジタルマルチメータ、プログラマブルPC電源、デジタルI/Oを、A4用紙で隠せるほどの小型な筐体にまとめたものだ。USBケーブルでPCに接続して操作する他、iOSアプリ「VirtualBenchアプリ」をダウンロードすれば、「iPad」からWi-Fi接続*)して、操作することもできる。同アプリは、2014年夏ごろにApple Storeで入手可能になる予定だ。現時点では、Windows 7とiOS 7以降に対応している。現時点ではAndroidには対応していない。価格は19万8000円(税別)。
*)Wi-Fiの通信範囲は約150m。
VirtualBenchの最大の特長は、iPadで操作できることだ。これには、はっきりとした狙いがある。インターネットやモバイル機器に幼少のころから親しんでいる、“ジェネレーションY”と呼ばれる世代のエンジニアをターゲットにしているのだ(関連記事:計測器は古臭い! 新世代“ジェネレーションY”の計測器を)。
ジェネレーションYエンジニアの1人である、日本NI テクニカルマーケティング担当のケーシー スワロー氏は、「タブレット端末を使う時と同じ感覚で、VirtualBenchを使える」と述べる。例えば、波形を拡大したい時はピンチアウト(2本の指の間隔を広げていく動作)すればいい。波形のスクリーンショットを撮る動作は、普段スマートフォン/タブレット端末の画面のスクリーンショットを撮る場合とまったく同じだ。撮ったスクリーンショットは、これも普段と同様に「写真」フォルダに保存される。これらの画像やデータをメールで送信したり、クラウドストレージサービス「Dropbox」に保存したり、Apple版エクセル「Numbers」に変換したりといったことも可能だ。
スマートフォン/タブレット端末を普段から使いこなしているジェネレーションYのエンジニアなら、直感的に操作できるだろう。
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