ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2014年8月6日、2014年度(2015年3月期)第1四半期決算説明会を開催し、これまでの構造改革策の進捗(しんちょく)を説明するとともに、今後の利益成長に向けた経営方針説明を行った。その中で、2013年度売上高のうち約25%を占める低採算の非注力領域事業/製品を2018年度頃までに終息させ、2016年度下期に売上総利益率(粗利率)を45%まで高める方針を示した。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2014年8月6日、2014年度(2015年3月期)第1四半期決算説明会を開催し、これまでの構造改革策の進捗(しんちょく)を説明するとともに、今後の利益成長に向けた経営方針説明を行った。その中で、2013年度売上高のうち約25%を占める低採算の非注力領域事業/製品を2018年度頃までに終息させ、2016年度下期に売上総利益率(粗利率)を45%まで高める方針を示した。
会長兼最高経営責任者(CEO)を務める作田久男氏は会見で、6四半期連続の営業黒字を計上した2014年度第1四半期業績(関連記事:ルネサス、車向け堅調で6四半期連続の営業黒字達成――2014年4〜6月期)について「収益的にはかなり改善してきているが、為替の影響やEOL(生産中止品)実施に伴う作りだめによる利益押し上げ効果があった上、給与/ボーナスカットなど人件費の支払いを抑えた中での結果であり、全く実力ではない」とし、さらなる収益改善の必要性を強調した。
そして、「最も重視するのは粗利率。企業の価値は、最終的に粗利率に表れると強く思っている」とし、粗利率を最重要指標とした経営を実施していく方針をあらためて示した。具体的には、2016年度下期に粗利率45%達成を目指す。
2013年度下期時点のルネサスの粗利率は38.3%。直近で最も悪化した2012年度上期時点の29.3%からおよそ2年で10%近く改善しており、「今のところ順調な粗利率の改善ができている」として、目標達成に自信をのぞかせた。
粗利率改善策としては、これまで人員削減と生産拠点の統廃合といった固定費削減策が中心だった。ただ、人員削減は複数回に及ぶリストラで2011年4月時点の4万2800人体制から2013年度末までに1万5600人減らし、2014年9月末にも技術開発部門を中心に約800人規模のリストラを実施する計画。これ以上の大幅な人員削減は見込みにくい状況になっている。また生産再編も2011年4月時点の20拠点体制から9拠点体制に集約する計画を実施しており、大規模な固定費削減策は一通り手を打ち終えた感が強い。
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