中国ではタブレット端末市場の成長が鈍化し始めている。中国のタブレット端末向けIC市場でIntelとMediaTekがシェアを伸ばす中、Actions Semiconductorは64ビットCPUを武器に、同市場で生き残りをかけようとしている。
中国のタブレット端末市場は現在、ファブレットとの競争激化の影響で成長が鈍化しつつある。IntelとMediaTekが、ホワイトボックスタブレット市場に向けた取り組みを本格化させていることから、現地ブランドの7インチタブレット端末の販売価格は、50米ドル未満に下落している。
こうした状況に注目しているのが、中国のファブレス半導体企業Actions Semiconductorだ。同社はもともと、MP3/MP4プレーヤーで成功したメーカーで、現在はタブレット端末向けSoCの開発も手掛けている。今後は同市場をうまく利用することによって、従来の位置付けから一歩前進する考えだ。
Actions Semiconductorは、2014年第2四半期(4〜6月期)の決算を発表したカンファレンスコールで、同期の売上高が1200万米ドルだったと報告した。2013年第2四半期の売上高は1850万米ドルだった。利益率に関しては、2014年第1四半期には23.1%、2013年第2四半期には32.2%だったが、2014年第2四半期は18.4%に低下したという。このように利益率が下がったという事実から、中国のタブレット端末市場では激しい競争が繰り広げられていることがよく分かる。
Actions SemiconductorのCEO(最高経営責任者)であるZhenyu Zhou氏は、カンファレンスコールで、「当社の2014年第2四半期の決算結果は、タブレット端末の世界市場が鈍化している状況を反映したものだ。同市場は全体的に、以前の予測を上回るペースで成長が減速している」と述べている。Zhou氏は、競争の激化について触れ、「IntelとMediaTekは、ホワイトボックスタブレット市場でシェアを急激に拡大し、販売価格に圧力をかけている」と指摘した。ただし、同氏によると、ホワイトボックスタブレット市場そのものも伸び悩んでいるという。
Zhou氏は、タブレット端末向けアプリケーションプロセッサについて、「デュアルコアSoCは、2013年にはハイエンド向けとされていたが、現在では主流になっている。これらのデュアルコアSoCの販売価格は、2013年に比べて半分にまで下落している」と述べている。
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