HGSTは、データセンター向けストレージ装置事業において、フラッシュベースのストレージ装置や、アクティブアーカイブに向けたストレージ技術基盤などを新たに提案する。これらの製品で、アクセススピードの高速化や増大する記憶容量、記憶容量当たりのコスト低減といった要求に応えていく。
HGSTは2014年9月18日、東京都内で記者説明会を開催し、データセンター向けストレージ装置の事業戦略などについて語った。高速アクセスや増大する記憶容量、記憶容量当たりのコストダウンといった要求に対して、フラッシュベースのストレージ装置や、アクティブアーカイブに向けたストレージ技術基盤などを新たに提案していく。
冒頭、HGSTが2014年7月下旬から8月中旬まで行った、データセンター管理者を対象としたオンライン調査の結果について説明した。この調査によると、「生成される全データが適切に格納され、アクセス/解析できる状態にあれば価値がある」と答えたのが回答者の86%を占めたという。ところが、回答者の約半分(48%)は「全データを格納できていない」と答えている。また、回答者の78%は、「より良い解析ツールとストレージソリューションがあれば、ビジネスの効率が向上する」と認識しているという。
さらに調査結果から、「長期保管ストレージとして、アクティブアーカイブのニーズが高まっている」ことや、「性能と効率の向上に向けて、SSDへの投資が活発になってきた」こと、「クラウドストレージへの投資が加速している」こと、などが分かったという。
こうした結果も踏まえて、HGSTでコーポレートデベロップメント&ストラテジのバイスプレジデントを務めるDave Tang氏と、プロダクトマーケティングのバイスプレジデントを務めるBrendan Collins氏が、変ぼうするデータセンターと、それに向けたHGSTのストレージ事業戦略について語った。
まずTang氏が、企業や組織から生成されるデータ量の推移やその価値について述べた。Tang氏は、「生成されるデータ量は年間に40%増加し、2年ごとに2倍となる。2013年から2020年の間に、そのデータ量は10倍となる。これらのデータを有効に活用し、より正確に、かつ迅速に意思決定すれば、企業の生産性は5%、収益性は6%それぞれ向上する」という予測を紹介した。
しかも、IoT(モノのインターネット)により、2015年までには250億台の機器がインターネットに接続されると予想されており、「データのさらなる増大によって、企業や業界において新たな事業機会が創出される」とみている。膨大な情報を収集し、それを知識や知恵に変えて活用することで、市場の変化に適応する事業判断が可能となるからだ。
続いてCollins氏は、市場の要求に応える同社の新製品などを紹介した。1つは記憶容量が6Tバイトと5Tバイトの3.5型HDD「Ultrastar 7K6000」である。記憶容量が1枚当たり1.2Tバイトのディスクを5枚実装している。「空気タイプで設計される最後の製品になる」という。
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