キーサイト・テクノロジーは、モジュール計測器向けモジュラー製品を発表した。PXIe規格に準拠したベクトルネットワークアナライザ(VNA)と、掃引型スペクトラムシグナルアナライザである。測定コマンドはボックス型と互換性を有し、作業性もほぼ同一の操作環境を実現している。第5世代移動通信システム(5G)向けに機能拡張したAXIe規格準拠の12ビット高速デジタイザも発表した。
キーサイト・テクノロジー(Keysight Technologies/以下、キーサイト)は2014年10月、モジュール計測器向けモジュラー製品を発表した。PXIe規格に準拠したベクトルネットワークアナライザ(VNA)「M9730A」シリーズと、掃引型スペクトラムシグナルアナライザ「M9290A CXA-m」である。また、第5世代移動通信システム(5G)向けに機能拡張したAXIe規格準拠の12ビット高速デジタイザ「M9703A」も併せて発表した。
キーサイトは、ボックス型測定器の技術力やノウハウをベースとして、ワイヤレス通信と宇宙航空・防衛市場に向けたモジュール計測器の拡充を図っている。これまでのデジタルオシロスコープや無線変調解析器、信号発生器などのモジュラー製品に加えて、新たにモジュール型の掃引型スペクトラムアナライザとネットワークアナライザを追加した。これにより、モジュール計測器でもRFテストが可能となった。特に、測定コマンドはボックス型と互換性を保ち、作業性もほぼ同一の操作環境を実現しているのが同社製品の大きな特長だ。
M9730Aシリーズは、1つのモジュラーで2ポートのVNA機能を搭載している。最大16枚のVNAモジュールを実装できるPXIシャーシを用いると、最大32ポートのVNAを実現することができる。ポート数の組み合わせは任意で、複数の2ポートVNAとして用いると同時並列測定などにも対応することができるという。
M9730Aシリーズは、周波数レンジにより300kHz〜4GHzの「M9370A」、同じく〜6.5GHzの「M9371A」、〜9GHzの「M9372A」、〜14GHzの「M9373A」、〜20GHzの「M9374A」および〜26.5GHzの「M9375A」と6モデルを用意した。
M9370Aシリーズの性能は、ダイナミックレンジが9GHzで116dB以上、測定バラツキは0.001dB以下、掃引時間16msなど、ほぼデスクトップ型のENAシリーズと同等である。価格(税別、5年間の保証を含む)は、M9370Aが99万505円、M9375Aは414万3906円。
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